苦闘する国内半導体商社、始まるか
本格的な業界再編
外資の動きも台風の目に
国内の半導体・エレクトロニクス技術商社が苦闘している。欧州金融危機を契機とした世界的な景気低迷の影響によって2012年度下期の業績回復という期待が裏切られ、リーマンショック以来の人員整理に踏み切った。ルネサス エレクトロニクス販売はルネサス本体への統合を決めた。海外進出や新商材発掘といった成長戦略を謳うものの、抜本的な打開策につながる次の一手が出てこない。一方、海外の大手ディストリビューターは、技術力やデザイン力のある日本市場でシェア拡大のためM&A攻勢に出る。国内技術商社は、経営の攻守で危機脱出に向けた戦略を打ち出すことができるのか、大きな試練に直面している。
■危機深刻、リストラ加速
業界関係者は今回の危機をリーマンショックよりも深刻と受け止めている。リーマン時は需要急減に伴う大混乱はあったものの、その半年後には受注が急回復。業績もV字回復を果たせたところが多かった。
しかし今回は、パナソニックやシャープといった国内を代表するセットメーカーの歴史的な巨額赤字に見られるように、日本エレクトロニクス業界の衰退が顕著となり、それが国内電子部品市場の構造的な縮小につながり始めている。国際競争力を失った国内電機業界の低迷が、国内半導体商社の体力を消耗させていることは間違いない。
従来は液晶テレビや携帯電話といった民生関連分野での敗走が目立っていた国内電機業界だが、最近ではインフラ系通信市場やリチウムイオン電池市場といった、かつては競争力があり、お家芸と呼ばれた分野でも中韓台などのアジア勢の大攻勢にあっているのが実態である。
◇ エヌビディア 「SHIELD」、停滞するゲーム機市場に風穴、
汎用CPUの性能向上が後押し
◇ 住友ベークライト、中国に新ライン 次世代FC封止材
◇ IQE、Kopinの事業買収、HBTエピウエハー強化
◇ TSMC 10~12月期、装置発注額が過去最高、13年大型投資の布石
◇ トクヤマと農工大、深紫外線LED開発、15年の事業化目指す
◇ CTコンセプト、ドイツに設計拠点、IGBTドライバー開発
◇ JEITA 13年予測、電子産業 世界で5%増、センサーとヘルスケアに期待
◇ 国内基板メーカー16社、フレキとリジッドで明暗、12年度投資額は27.5%増
◇ ニッパツ、異種材料を接合、新たな成膜技術を開発
◇ リンテック、台湾に販社設立 基板用テープ拡販
◇ エバースピン、MRAM出荷 大幅増へ、300mm生産立ち上げ検討
◇ シスコとNXP、車載無線技術で協業、コーダワイヤレスに出資
◇ マキシム、電池残量ゲージ発売、消費電流4分の1に
◇ ライバオ・ハイテク、重慶に5G新工場、8月からタッチパネル生産
◇ グンゼ、タッチパネル倍増へ、まずITO内製を強化
◇ SEAJ 製造装置需要予測、年平均成長率マイナスに、半導体・FPDとも下方修正
◇ 昭和電工、フラーレン事業化、FCCを共同運営
◇ NECエンジニアリング、生産性2倍を実現、真空テープ貼付装置
◇ チャオリソーラー、株式の売買停止に、債務問題と経営者失踪で
◇ 帝人、PENフィルム拡販、FC市場の拡大に期待
◇ パナソニック、HITのPID耐性、フラウンホーファーで実証