パワーモジュール、部材見直し本格化
次期HEV向けで大きな転機、サプライチェーンも一新か
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)に代表される大電力の高速スイッチング素子であるパワー半導体の実装形態が進化している。電流密度が一段と向上する第7世代シリコン(Si)IGBTやSiC(炭化ケイ素)半導体の登場で、高温動作に対応した一層の放熱制御対策が求められているからだ。特に信頼性が大事なHEV/EVといった車載用途をはじめ、風力・太陽光発電のパワーコンディショナー向けにも需要が拡大するため、はんだ接合材など実装材料業界はこぞって研究開発を加速している。
■冷えるパワー半導体市場
2012年頭から低迷が続くパワー半導体市場。欧州の金融不安を契機とした中国経済の長引く不況は、それまで好調であった同市場を直撃して前年比で久々のマイナス成長となったもようだ。13年は半導体市場全体の伸びが4.5%増(WSTS)と見込まれるなか、パワー半導体のなかでもIGBTモジュールの成長に期待がかかっており、前年比2桁の伸びが想定されている。HEV向けに搭載数量が拡大するのに加え、新興国での販売も堅調に推移する見通しであるためだ。大市場の中国経済が徐々に力強さを取り戻すとみられ、エアコンや建機向けなども回復すると見込まれている。
■主要部材が大きく変わる
次世代IGBTは、特に車載用途では安定して175℃動作を保証しなければならないとされており、モジュールの実装材料や形態が従来とは大きく変わりそうだ。IGBTのチップシュリンクによってパッケージは小型化が期待できるが、一方で、さらなる高放熱・高信頼性が求められているためだ。
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