電子デバイス業界 2019年10大ニュース
日韓、米中など外交問題に翻弄
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2019年の電子デバイス業界は、日韓関係や米中関係など外交問題に翻弄された一年となった。韓国への半導体材料の輸出管理厳格化に加え、米中貿易摩擦も出口の見えない状況が続く。先行き不安から最終顧客も部品調達に慎重な姿勢に終始した。20年は5Gスマートフォンの普及などプラス材料も見え、回復基調に向かうとみられるが、米中問題の行方によっては一気に需要が後退する可能性もあり、予断を許さない。
市場への影響度という点では米中問題に軍配が上がるが、ニュース性を考慮すれば日韓問題のインパクトはやはり大きかったと言わざるを得ないだろう。経済産業省は7月1日、半導体・FPD材料の韓国向けの輸出管理について、外国為替および外国貿易法に基づく輸出管理を適切に実施する観点から、厳格な制度の運用を行うと発表。これによって、輸出においては個別申請が求められるかたちとなった。
対象となった3品目のうち、最も影響が出ているのがフッ化水素。フォトレジスト同様に日系メーカーの市場シェアが極めて高く、さらに半導体製造に用いられる高純度グレードとなると独壇場ともいえる状況で、代替調達は難しいとされる。
(以下、本紙2019年12月26日号1面)
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