車載部品メーカー、自動車販売減速で業績低迷
自動運転など開発競争は激化、新たなセンシング技術も普及
1~7月の7カ月間における自動車の世界販売台数を見ると、最大のマーケットである中国で前年同期比11%減、米国市場においても同2%減と振るわず、世界販売台数1億台の大台超えを目前に足踏み状態となっている。このため、世界の車載部品メーカーの直近の業績も軒並み減収を余儀なくされているが、主権争いのカギを握るADAS・自動運転技術開発は急激に進んでおり、熾烈な争いが続いている。
世界の車載部品メーカーの売上高ランキング(18年度ベース)を見ると、顔ぶれは変わらず、独ボッシュが前年に引き続きトップを堅守。2位にデンソー、3位に独ZF、4位にコンチネンタルと続いている。なお、5位には前年から1つ順位を上げたマグナインターナショナルがつけた。上位10社では各社ともプラス成長と堅調に推移した。
一方で各社の発表を見ると、自動車市場の低迷を受け、直近の業績は低調だ。現代モービスとヴァレオは、為替影響や顧客ミックスから増収増益としたものの、デンソーやZF、コンチネンタル、マグナインターナショナル、リア、フォルシアなどは軒並み減収減益を余儀なくされている。
(以下、本紙2019年8月22日号1面)
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