次世代蓄電池、19年は製品化進む
全固体とNaiB実用化へ、LiBと同等のサイクル回数
リチウムイオン電池(LiB)に続く次世代蓄電池は、2019年に製品化が進む見込みだ。その急先鋒は全固体電池。これまでにセンサーネットワークのマイクロバッテリーなどに一部実用化されてきたが、19年はボリュームゾーンである車載用や携帯機器用に市場投入される。高エネルギー密度、高出力、急速充電といった特性から、エレクトロニクス業界や我々の生活に与える影響は大きい。他方、エネルギー密度はLiBと同等程度か若干低いものの、資源的制約が少なく低コスト化に向いたナトリウムイオン電池(NaiB)も、車載用や定置用電源などで期待がかかる。
次世代蓄電池としては、リチウム空気電池、マグネシウムイオン電池、リチウム硫黄電池、亜鉛空気電池なども開発されているが、いずれも実用化には時間がかかると言われている。最大の課題がサイクル回数。これまでの研究成果では50回以下が大半で、数回程度のケースもある。これに対し、全固体電池とNaiBは現行LiBと同様1000回以上に対応している。
全固体電池は、現行LiBの電解液である有機溶媒を無機材料(硫化物系や酸化物系)やポリマーなどの固体電解質に代替したもの。現行LiBと比較した場合の最大の魅力が高い性能だ。エネルギー密度は2~3倍またはそれ以上と言われており、EV航続距離の飛躍的な延長やバッテリーモジュールの小型化に寄与する。充電性能も高く、従来の急速充電が30~40分かかるのに対し、5分以下になるとみられる。難燃性材料を採用するため、安全性も確保できる。
(以下、本紙2019年2月21日号1面)
自動車産業・部品
デンソー、米ベンチャーに出資、IP子会社を通じて
日産、次期SUV生産変更、英国から九州に集約
二輪車の世界生産台数、25年までに3割増、新興国需要が牽引役に、
矢野経済研究所調べ
デンソー 4~12月期、売上高は8%増加、トヨタ向けが大幅伸長
NTT-AT、自動車でガス点検、メタンガスセンサー活用
IT・半導体産業
ソニー 半導体事業、通期予想を下方修正、スマホ向け減少が影響
ルネサス、1~3月は18%減収、中国低迷と在庫調整で
コルボ 10~12月期、モバイル不振で減収、コスト改善へ生産再編
STマイクロ、ノーステルを買収、SiC基板の調達先確保
クリー 10~12月期、2期連続で営業黒字、SiCへの引き合い拡大
プリント回路・実装
ヤマハ発動機、後工程2社を傘下に、トータルソリューション化鮮明
AT&S 4~12月期、売上高伸び率鈍化、スマホ向け基板が低迷
JPCA、改善例発表会を開催、オーミハイテクが大賞
サンタック、車載基板に参入、珠海に新工場建設
石原ケミカル 4~12月期、売上高は7%増、めっき液が好調
液晶・ディスプレー
サムスン電子 10~12月期、利益率2桁を維持、19年は大型8Kを拡充
マイクロニック、フォトマスク描画装置、18年は12%の増収
日東電工 オプト部門、通期計画を下方修正、フィルム需要など低調
FPD露光装置、18年は142台にニコンが巻き返し
凸版印刷、オルタスを合併、シナジー最大化
電池・新エネルギー
東芝、ペロブスカイト太陽電池、25年めどに事業化
SKイノベーション 2次電池事業、19年は売上倍増へ、増産投資で赤字も継続
フジコーなど、完全封止型PV開発、20年に大型発電向け展開
山形大、有機系PV高性能化、PSCは効率20%超に
カナディアン・ソーラー、PERCの供給拡大、全モジュールに採用へ
製造装置・部材関連・FA
大陽日酸、中期計画を見直し、投資1兆円に引き上げ
PeS、OSGらが出資、電子ビーム事業を強化
レーザーテック、半導体装置の受注好調、19年度予想を引き上げ
KLAテンコール 10~12月期、過去最高の出荷高、一部顧客で前倒し計上
HOYA、ブランクスが好調、EUV向けは売上2倍に
医療・航空・ロボット
キョウトロボティクス、8億円の出資獲得、知能ロボ事業拡大へ
エクソ・バイオニクス、1億ドルの出資獲得、中国で合弁事業を始動
帝人、ボーイングへ供給、構造材用プリプレグ品
京東集団、ロボレストランに3万人以上が来店
DFA、日本郵便の実証に配達ロボット提供
一般電子部品
TDK 18年度、通期見通し下方修正、中国低迷で受注3割減
長野計器、IoT対応を強化、4社提携で新事業も展開
ヒロセ電機 18年度、通期計画を下方修正、スマホ用の需要が低調
京セラ 4~12月期、部品事業は14%増、有機基板では損失計上
ウエスタンデジタル、上期は減収減益にフラッシュが逆転
産官学のフューチャープラン No.178
富山県 第3回、富山県産業技術研究開発センター
『一心千里』 ~走っていれば、見えてくる 永田 隆一 No.113
課題解決の方法も多岐に渡り、フェイクニュースは距離を置く
日本半導体産業 激動の21年史(2000年~2020年) No.7
2001年(第2回)16年ぶりの大不況突入
急浮上!酸化ガリウム最前線 No.3
ノベルクリスタルテクノロジー
超LSI共同研究所とその前後 垂井康夫(東京農工大学名誉教授) No.3
超LSI技術研究組合(1)
インタビュー
アルプスアルパイン(株) 代表取締役 社長執行役員 栗山年弘氏
SWS西日本(株) 代表取締役社長 佐久間敦敬氏
日本ゼオン(株) 執行役員 高機能部材事業部 事業部長 曽根芳之氏
GROOVE X(株) 代表取締役 林要氏
アルプスアルパイン(株) 代表取締役 社長執行役員 栗山年弘氏
純水・超純水製造装置特集
半導体は水質要求顕著