仮想通貨マイニング用半導体、先端ライン埋めるバッファーに
ファンドリーのスマホ不振補う、FCBGA採用で後工程も商機
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仮想通貨マイニング向けの半導体需要が、先端ラインの稼働を埋める貴重な「バッファー」として存在感を増している。2017年末～18年前半にかけて、スマートフォン（スマホ）用半導体の生産が低水準で推移するなか、その空いた先端ラインをマイニング用チップ、とりわけASICの生産で補填している。ビットコインをはじめとする仮想通貨の価格変動も激しく、今後の需要継続に関しては不透明なところも多いが、スマホの需要閑散期を狙って先端ASICを生産するというコンセプトは、ファンドリー各社の生産スケジュールにとっては理想的なモデルといえそうだ。
アップルおよび中華圏スマホの生産・出荷が伸び悩むなか、マイニング需要は先端ラインの稼働を埋める救世主となっている。マイニングはいち早く計算を終えたマイナー（採掘者）に仮想通貨が新規発行される特性上、計算スピードを速めるために先端プロセスに対するニーズが強い。よって、ファンドリー各社にとっても売り上げ・利益へのインパクトが大きくなっている。
特にマイニング最大手の中国ビットメインのTSMCへのASIC発注量は17年後半から大きく増加しており、月平均1.5万枚前後の発注量で推移したとみられている。このほとんどが16nmで構成され、マイニング需要がTSMCの稼働を下支えしてくれた側面は強い。
（以下、本紙2018年5月17日号1面）
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