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2012/11/14(2015号)主なヘッドライン
有機EL 揺らぐ成長神話
フルHD対応でLTPSに遅れ、フレキシブル化に活路は!?

 「サムスンはスマートフォン(スマホ)次期モデル『Galaxy S4』(仮称)に有機ELを搭載しない」――。サムスンディスプレーの戦略転換を想像させるこの噂が、有機EL関連業界を騒然とさせている。当初の増産計画にも見直しがかかっている。サムスンがほぼ単独で市場を開拓してきただけに、戦略転換は量産を控えた後続メーカーの今後の投資計画にも影響を与えかねない。有機ELが抱える課題と2013年以降の市場成長の糧を探った。

 「スーパーAMOLED」。サムスンがハイエンドスマホ「Galaxy」シリーズに冠してきた代名詞だ。業界内では「サムスンはS4に他社から調達した高精細低温ポリシリコン(LTPS)を搭載する」という噂がまことしやかに喧伝されており、この代名詞が引き継がれるかに注目が集まっている。
 ハイエンドスマホ用パネルとして有機ELが求心力を失っているのは、ひとえにフルHD(1920×1080ピクセル)の実現が難しいためだ。すでに5インチクラスで400ppi以上のフルHDパネルの量産が始まったLTPSに対し、300ppi強がやっとの有機ELではハイエンドスマホに不十分なのだ。
 しかもLTPSは、インセルタッチ技術や光配向技術の採用で薄型化・高精細化を実現し、消費電力でも勝り、有機ELの強みであった領域を徐々に侵食している。有機ELが真空蒸着を量産プロセスに採用している以上、さらなる高精細化に非常に大きな壁が立ちはだかっていると、現状では言わざるを得ない。




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