EV・PHV、2030年に台数10倍以上
主要国の規制強化が追い風、米中がZEVで「HV外し」
2016年の世界電動車市場(HV=ハイブリッド車、PHV=プラグインハイブリッド車、EV=電気自動車)は、前年比17%増の260万台と2桁の高成長を記録した。HVが184万台、PHV+EVが76万台で、7割をHVが占めた。だが、自動車の主要市場である中国や米国などでは、導入が進む環境規制でHVをエコカーの対象外とする動きがある。このため、自動車メーカー各社はPHV・EVを主軸としたエコカー開発に大きく舵を切っている。
40年に化石燃料車(ガソリン・ディーゼル車)の販売禁止を決めた欧州と英国にみるとおり、近年は地球温暖化対応などから自動車の規制が大幅に強化されている。電動車を一定の割合で販売することを義務化する動きも強まっている。
世界最大の自動車市場である中国は、19年4月から中国版ZEV(排ガスゼロ自動車)規制となるNEV規制(新エネ車優遇政策)の正式運用を開始する。これにより、化石燃料車の販売台数の一定比率(19年8%、20年10%、21年12%)でエコカーの販売が義務づけられる。エコカーに定義されるのはPHV、EV、FCV(燃料電池車)で、日系自動車メーカーが得意とするHVは対象外だ。
また、米国も18年以降はHVをZEV規制の対象外とする。米国では、連邦の燃費規制のほかに州限定の規制があり、カリフォルニア州のZEV規制がその代表例(14州がカリフォルニア州の規制適用を決定)だが、18年以降はHVを対象から外す。また、規制への適合が求められる自動車メーカーも6社から10社に拡大され、エコカーの市場投入が待ったなしだ。
(以下、本紙2017年11月30日号1面)
◇ マツダ 17年度、通期投資は1200億円、米国合弁工場は19年決定
◇ 富士通とHERE、長期戦略提携に合意、統合サービスの開発で
◇ 東レ、エンジ会社に出資、炭素繊維複合材の拡大へ
◇ サンケン電気 半導体事業、白物好調で15%増、通期業績を上方修正
◇ 浜松ホトニクス、都田工場に新棟完成、化合物半導体生産を集約
◇ パナソニックAIS社 7~9月期、車載関連中心に伸長、減益も事業利益は拡大
◇ SKハイニックス、無錫にDRAM新棟、19年初頭に3万枚で稼働
◇ 兆芯集成電路、x86系CPUを国産、28nmでTSMCに委託
◇ NGNT、次世代衛星レシーバーIC、28nmで19年完成へ
◇ AT&S、MSAP基板が好調、通期で25%増収を視野
◇ メイコー 4~9月期、スマホ用HDI好調、通期業績を上方修正へ
◇ 日東紡、台湾でヤーン増強、福島でも増産投資検討
◇ 鴻海精密工業、州税控除契約を締結、WIの10.5G新工場で
◇ Kopin 7~9月期、軍事用の売上増加、新型液晶を18年に量産
◇ NKKスイッチズ、タッチパネル開発 金属テールを採用
◇ 国内PVメーカー、上期業績は低調、収益モデルの模索続く
◇ LEシステム、INCJらが出資、RFB電解液事業を加速
◇ 東京電機大、ナノSiPVを開発、塗布型で低コスト化
◇ HDSI、長野で減速機増産、工場も新たに取得
◇ SUMCO 7~9月期、営業利益5倍近くに、200mmでも値戻し本格化
◇ SKシルトロン、売上1兆ウォン超へ、需要旺盛で300mmを増設
◇ サンスターライン、名古屋港に就航、韓中への相互輸送実現
◇ 重工メーカー 航空宇宙関連部門 4~9月期、売上高3%増と堅調、
神鋼問題が懸念材料に
◇ ラピュタ・ロボティクス、ロボ用クラウド開発、ドローンも18年発売へ
◇ スターUAS、大型貨物ドローン 飛行試験をクリア
◇ ネスレ日本ら、ロボットカフェを期間限定で実証
◇ MTES、台湾企業と業務提携、構造モニタリングを拡大
◇ 国内電子部品メーカー 4~9月期、通期予想の上方修正相次ぐ、
車載と産業用が牽引
◇ DSM、次世代PPA材でコネクター小型化