ペロブスカイト、ノーベル賞候補で脚光
耐久性の解決にめど、欧州ベンチャーが商業化
次世代太陽電池(PV)として、ペロブスカイト太陽電池(PSC)の開発が活発化している。2017年のノーベル化学賞候補に日本人科学者の名前が挙がったことで知名度が一気に上昇した。変換効率も結晶シリコン(Si)に迫る22%に達し、商業化も目前に控えている。大面積化や耐久性に課題を残すが、材料コストが安価で製造プロセスも簡易なため、普及が進めばコスト低減が一気に進むと期待されている。
ペロブスカイトはABX3の結晶構造を持つ材料の総称で、発見したロシア人科学者の名前に由来している。AはMA(メチルアンモニウム)やFA(ホルムアミジニウム)などの有機カチオン、Bは鉛などの金属カチオン、Xはヨウ素、臭素などのハロゲン化物アニオンだ。結晶構造はかなり昔に発見されたが、06~09年に桐蔭横浜大学の宮坂力教授らの研究グループがPVの増感材料に提案して脚光を浴び、研究開発に火がついた。
なぜ注目されるのかというと、簡単な成膜プロセスで高い変換効率が得られるからだ。
ペロブスカイトは1.55~1.6eVのバンドギャップを持ち、800nmまでほとんどの可視光を吸収できる。光吸収係数が高いため薄膜化が可能で、塗布&低温成膜、長いキャリア拡散長、安価な製造コストと、PV材料として理想的な特徴を持つ。熱的ロスが小さいため電圧ロスが少なく、理論限界に近い1.1V以上の電圧を取り出すことができる。
(以下、本紙2017年11月2日号1面)
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