車載用LiB、環境対応車シフトで追い風
パナ、LG、BYDがトップ3、LiBファンドリーも登場か
2016年11月に正式発効した「パリ協定」を契機に、世界各国で電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)といった環境対応車へのシフトが強まっている。フランスは40年、オランダとノルウェーは25年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針で、ドイツも20年までにガソリン車の販売禁止を目指す。世界市場シェアでEV5割、EVバス・トラック9割を占める中国もガソリン車の販売を禁止する見込みであるなか、注目を集めているのが車載用リチウムイオン電池(LiB)だ。環境対応車の生産拡大とLiBの低コスト化が相まって、今後急激に需要が拡大していく見通しだ。
車載用蓄電池には主に鉛電池、ニッケル水素電池、、LiBが使われている。このなかでLiBは最も高性能で、エネルギー密度で鉛電池の約4倍、ニッケル水素電池の約2倍だ。このため、特に高いエネルギー密度が必要とされるEV用バッテリーには不可欠だが、以前はコストが高かったため搭載容量に限界があり、結果、EVの航続距離は伸びなかった。
だが近年、一気にLiBの低コスト化が進み、一部では鉛電池と同等となったため、搭載容量が増加傾向にある。最近発表された日産自動車の「リーフ」(バッテリー容量40kWh)は航続距離400km、米テスラの「モデル3」(同40kWh)は350kmを達成。トヨタ自動車は当初、EVを短距離用、燃料電池車(FCV)を中長距離用と位置づけていたが、状況は一変した。(株)富士経済は、車載用蓄電池市場が25年には16年比約4.6倍の6兆6138億円に達すると予測している。
(以下、本紙2017年10月26日号1面)
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