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2017/5/18(2245号)主なヘッドライン
スマホ用フロントカメラ、生体認証多重化で一大革新
アップルも虹彩+顔認証、STマイクロが大型投資敢行

 スマートフォン(スマホ)のディスプレー上部に搭載されているフロント(サブ)カメラが大きな変化を遂げようとしている。従来は自撮り用途としてCMOSイメージセンサー(CIS)とスクリーンのオン/オフを制御する近接センサーなどの搭載にとどまっていたが、複数の生体認証機能を搭載する「多重化」ニーズによって、フロントカメラに新たなセンサー需要が生み出されつつある。今年9月に発表される新型iPhoneでも虹彩認証などが新たに追加される見通しであり、サプライチェーンにも変革をもたらしている。

 スマホに搭載される生体認証機能は現在、指紋認証が一般的だ。しかし、指紋認証だけではセキュリティー性能は低く、最近ではこれに虹彩認証を加えたタイプがアンドロイド系機種を中心に広がっている。指紋認証機能はiPhoneの場合はホームボタンに、アンドロイド系機種は筐体背面に配置されており、虹彩認証はモノクロのCISでセンシングするケースが多い。
 今年9月に発表される新型iPhoneは、有機ELパネルの搭載が大きな話題を集めているが、生体認証機能の2重化/3重化も大きな変更点といえる。アップルはカード決済システムである「Apple Pay」の普及に力を入れており、iPhoneのセキュリティー性能向上に並々ならぬ意欲を燃やしている。まずは、虹彩認証が搭載される見込みで、ここにはSTマイクロエレクトロニクスが製造するモノクロタイプのCISが採用されることが決まっているもようだ。
 焦点となっているのが、顔認証機能だ。3Dで顔をセンシングすることで、認証精度を高めることができ、「指紋」「虹彩」「顔」の3重化を図ることができる。この顔認証が搭載されるか否かはまだ不透明なところが多いが、現在近接センサー用途で搭載されているST製のToF(Time of Flight)センサーにこの機能が加えられる可能性が出てきている。

(以下、本紙2017年5月18日号1面)



◇ CMOSイメージセンサー、主要各社が投資再開、
  デュアル化などで需要拡大
◇ テスラ、20億ドルを投資へ、新車種向けの設備に
◇ 中国エコカー製販、20年に200万台へ、販売比率 25年に20%
◇ デンソー、富士通テンを連結化、車載電子分野を強化
◇ ソフトバンクら、5G技術を共同開発、19年後半に商用化へ
◇ 伯東 16年度、売上高10%増加 車載関連が堅調
◇ シチズン電子、赤外LEDを開発 生体認証用に展開
◇ メラノックス、通信用マルチコアプロセッサー、17年下期に出荷へ
◇ AMD、新型グラフィックスカード、14nmでVRに対応
◇ タワージャズ、先端SiGeで米社からDW獲得
◇ イビデン、MSAPで業績回復、北京工場でも転換投資
◇ 東京工業大学、ウエハー積層で新技術、DRAM容量4倍に
◇ フジクラ、高速伝送のFPC USB3.1対応
◇ AUO 1~3月期、利益率さらに上昇、ノート用LTPS拡充へ
◇ ジャパンディスプレイ、構造改革で固定費削減へ、
  有機ELシフト「想定以上」
◇ 産総研と九大、発光メカニズム解明、高効率TADF実現へ
◇ KDDI、大型タッチガラスソリューション、赤外線方式で提案
◇ OCI、マレーシア工場買収、トクヤマからポリSi
◇ トクヤマ 16年度、特殊品が黒字転換、多結晶Siの販売6割増
◇ 大阪大学産業科学研究所、熱電変換材料の1分子素子 設計・評価に成功
◇ 東京エレクトロン、売上高1兆円視野に、SPE事業が大幅増収
◇ ファナック、茨城に新工場建設、630億円投じ産業ロボ増産
◇ 日立国際電気、米ファンド傘下に、SPE事業は分離・独立
◇ サービスロボット、空港で実証案件増加、20年に向けて拡大基調に
◇ ロボット世界市場、25年に7.5兆円に拡大、富士経済調べ
◇ 富士通、ボーイング向けにRFIDを供給へ
◇ テラドローン、UAVレーザーを搭載したドローン
◇ 日本電産、独セコップを買収、コンプレッサー分野強化
◇ 村田製作所、17年度は8%増収、MLCC、メトロ高成長
◇ スタンフォード大学ら、汗センサーで診断、病気の兆候を検出
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