トランプ政権、外資誘致に一定の成果
鴻海やSBが投資拡大を約束、半導体政策は「前政権踏襲」
就任後100日を経過した米ドナルド・トランプ政権。この間、任命できた省庁の幹部ポストは歴代政権のなかでも極めて少なく、政治経験のない大統領として官僚の扱いには手こずっているようだが、株価は就任以来6%上昇。企業の投資計画に細かく口を出し、特に自動車業界および海外から米国に投資を引っ張ってくることには一定の成果を上げている。エレクトロニクス業界に対する言及はまだほとんどないが、アップルのサプライチェーンの一部が米国に移転するのかを含め、引き続き投資動向を注視していく必要がある。
4月末、商務長官のウィルバー・ロス氏が現地メディアに対し「国家安全保障上の懸念を踏まえ、米国の半導体、造船、アルミ産業を守るための貿易措置を取る可能性がある」と述べた。米政府は、オバマ政権の最後に「中国がアルミ生産者を不当に助成している」としてWTO(世界貿易機関)に提訴しており、これから想像すると、中国が半導体産業の振興に多額の資金支援を行っていることを牽制する狙いがあるようだ。
だが、この牽制はトランプ政権になって始まったことではない。オバマ前大統領は、その政権末期、中国企業による米国半導体企業への買収攻勢をことごとくブロックした。LEDのルミレッズ、パワー半導体のフェアチャイルド、メモリーのマイクロンらに提案された中国からのラブコールをすべて蹴り、ドイツ本社の装置メーカー、アイクストロンの米国法人ですら「買収は認めない」と跳ね付けた。いずれも「国家安全保障上の懸念がある」というのが理由だ。
(以下、本紙2017年5月11日号1面)
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