半導体装置用部材メーカー、新工場、能力増強相次ぐ
3D投資で装置需要拡大、納期厳守へ「綱渡りの状況」続く
半導体設備投資が3D-NANDを中心に活発化するなか、半導体製造装置メーカーに対して部材やパーツを供給するサプライヤーも足元ではフル生産に追われている。想定を上回る受注に対応すべく、部材サプライヤー各社のあいだでは新工場の建設や生産能力の増強が相次いでいる。この好景気は2017年いっぱいは続くとの見方も出てきており、当面は繁忙を極めることになりそうだ。
米ガートナーの最新予測によれば、17年の半導体設備投資金額は前年比2.9%増の699億ドルが見込まれている。うち、WFE(Wafer Fab Equipment)は同6%増の380億ドルと予想されており、前工程装置への旺盛な投資が続いていることがうかがえる。足元で設備投資を牽引しているのがメモリー、とりわけ3D-NANDだ。エンタープライズ/クラウド用SSD向けでの需要拡大や、一部スマートフォン向けでの搭載が進んでいることから、サムスンや東芝をはじめNANDメーカー各社は、3Dの新設および2Dからの転換投資を加速させている。
プレーナー構造の2D世代は2次元方向に寸法を微細化していったのに対し、3Dは3次元方向にメモリーセルを積層し、単位面積あたりのビット容量を増やしていく手法をとる。そのため、リソグラフィー工程の新規投資のウエートは低くなる一方、深穴形成などが必要となるため、エッチングや成膜、CMP装置への引き合いが増している。
(以下、本紙2017年2月2日号1面)
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