ファンアウトパッケージ、「非AP」中心に活況呈す
PMIC、RFのFO移行加速、基板陣営も巻き返しに意欲
FOWLP(Fan Out Wafer Level Package)に代表されるファンアウトパッケージが2017年から本格普及期に入る。16年はTSMCのInFOが「特殊条件下」で量産が開始されたが、17年からはアプリケーションプロセッサー(AP)以外の半導体デバイスを中心に、本当に意味での広がりを見せそうだ。一方で、ビジネスを失うことになった基板サプライチェーンに属する各社も虎視眈々と巻き返しを狙っており、先端半導体パッケージを巡る主導権争いはより一層激しさを増している。
16年のファンアウト分野を巡る環境はInFO一色だったと言ってもよい。米アップルが「iPhone 7」に搭載したプロセッサー「A10」に、TSMC独自のFOWLPであるInFOを採用。部材を供給する装置・材料メーカーもInFO特需に沸いた。しかし、TSMCにとってInFOは、本業であるウエハーファンドリーのビジネスを根こそぎ獲得するための「呼び水」という位置づけ。採算性はあまり重視されていないという、特殊な条件で立ち上がったといえる。実際、業界内では「InFO工程は赤字」という見方が大半で、後工程専業のOSATが同様のビジネスに手を出せなかったのも、そこに理由があると指摘されている。
しかし、ファンアウトは本来、放熱性の向上や反り低減、低背化など多くのメリットを持つ次世代技術であることに変わりはない。当然のことながらアップル以外の企業もファンアウトの採用を検討しており、17年はこれが一気に具体化してきそうな勢いだ。
(以下、本紙2017年1月12日号1面)
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