中国で生産ラインの自動化（FA）設備の工場建設が相次いでいる。中国の産業用ロボットの保有台数は2025年に180万台まで増加し、15年からの10年間で4.5倍に拡大すると予測される。政府の資金支援や海外企業の買収などにより、中国企業の技術力が急速に上昇する可能性もある。政府は中国市場における国産ロボット比率を20年に50％、25年に70％に引き上げる目標を掲げている。

　中国の人件費はこの10年で急騰した。組立工場が集積する広東省深セン市では、政府が定める最低賃金（月収）は05年で580元（約8900円）だった。それが15年には2030元（約3.1万円）へ3.5倍に増加した。実際の給与水準はもっと高く、製造業の経営を圧迫している。
　広東省東莞市のあるスマートフォン用ガラス工場は、数年前から人件費対策として自動加工機を導入した。作業員はピーク時の6000人から1800人と以前の30％で足りるようになり、人件費を7割も削減できた。また、手作業から自動加工に切り替えたことで、歩留まりが89％から98％に上昇。その結果、12％のコストを削減できた。

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