有機EL材料、TADF実用化へ前進
大学発ベンチャーが開発競う、第4世代「超蛍光」に期待大
FPD各社から量産計画が相次いで浮上している有機ELディスプレー。ガラス基板に有機材料を挟んだだけというシンプルな構造であるがゆえに、発光材料の特性がディスプレーの品位を大きく左右する。その発光材料で本命と目されているのが、第3世代の材料と呼ばれる熱活性化遅延蛍光(TADF)材料だ。日本とドイツで積極的に開発が進められており、実用化されれば現在の材料市場を一変させる可能性と性能を秘めている。
有機EL発光材料は、既存の蛍光材料を第1世代、燐光材料を第2世代と呼ぶ。前者は性能や寿命に優れているが、理論上、流した電気の25%しか光に変換できない。一方、後者は理論上100%光に変換できるが、レアメタルを使用するため高価だ。現在量産されている有機ELディスプレーには、一般的に赤色と緑色の発光材料に燐光材料、青色には蛍光材料がそれぞれ使用されている。
これに対してTADFは、蛍光となる一重項励起状態、燐光となる三重項励起状態をすべて活用して電気を100%光に変換できるうえ、レアメタルなどを使用しないため安価だ。九州大学大学院の安達千波矢教授が2011年に開発に成功したことで、次世代の発光材料として俄然注目を集めるようになった。
(以下、本紙2016年11月3日号1面)
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