VRヘッドセット、6000万台市場へ「普及元年」
主要機は有機EL搭載、高解像技術の牽引役にも
2016年は「VR(拡張現実)元年」といわれ、ソニーなどからVRヘッドセットが相次いで発売される。幕張メッセで先週開催された「東京ゲームショウ2016」でも大きな注目を集め、出展されたVRゲームタイトル数は110にのぼるなど、並行してコンテンツの充実も進んでいる。こうしたヘッドセットのほとんどは有機ELディスプレーを搭載しており、本格的に普及が進めば、スマートフォン(スマホ)を上回る高解像度化などが要求されそうだ。
大手調査会社のIDCが4月に発表した予測によると、VRヘッドセットの出荷台数は、16年の960万台から20年には6480万台へ約7倍に伸びると予測されている。3月に発売された米Oculus VRの「Oculus Rift」、4月に発売された台湾HTCの「VIVE」、10月に発売予定であるソニーの「PSVR」が御三家といわれ、PSVRはこれまで2回実施した日本での先行予約がいずれも即完売という人気ぶり。これらに続く新機種も続々と発表されており、現在はまだゲームが主用途だが、エレクトロニクス業界久々の大型ヒット商品に育つ可能性がある。
すでにVIVEを投入したHTCは、8月に発表した4~6月期決算では具体的な出荷台数や販売実績を明らかにしなかったものの、President Smartphone&Connected DevicesのChialin Chang氏は「7~9月期もVIVEの出荷台数は拡大し続け、当社の収益にポジティブに働く」と述べ、スマホの出遅れで落とした業績を回復させる起爆剤として期待を隠さない。
(以下、本紙2016年9月22日号1面)
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