日系EMS、海外拠点の構築加速
「車載」「グローバル」に照準、IoT時代の「付加価値」に課題
日系EMS(電子機器の受託製造サービス)企業が成長路線に大きく舵を切っている。シークスを筆頭にスミトロニクスなどの商社系EMS企業が「車載」と「グローバル」をキーワードに海外生産拠点を急ピッチで立ち上げている。一方で、並行してIoTを活用した製造環境を整備していく必要にも迫られており、製造ノウハウやサービスを含めてモノづくりの付加価値をどう高めていくのかも重要な要素になりそうだ。
■相次ぐ工場建設
ここ1年、日系の大手EMS企業が海外拠点網を積極的に構築する姿が目立っている。特に車載ビジネスや空調関連機器の需要が堅調に推移しており、最近の円高傾向も後押ししているようだ。
なかでも、「走る」「曲がる」「止まる」といった車の基本機能を司る重要保安部品向けのECU(Electronic Control Unit)の受託製造で首位のシークス(大阪市)がアグレッシブだ。メキシコではこのほど第2棟が竣工し、2016年末にかけてSMTラインを整備する計画。同国には世界の自動車メーカーやティア1が大挙して押し寄せており、これらの旺盛な需要を取り込む。また、上海工場の第2棟も16年末までに立ち上げ、車載、インバーター、インフラ、医療機器向けを受託する。そのほかインドネシア・バタム工場の移転拡張、東莞工場の増強も急ぐ。
(以下、本紙2016年9月8日号1面)
◇ 国内半導体28社、16年度投資は12%減、東芝3D-NANDが牽引
◇ クアナジー・システムズ、総額1.5億ドルを調達、ソリッドLiDAR開発で
◇ 金剛製作所、奥州市に新工場、トヨタ向けにプレス部品
◇ 楽視網、浙江省にEV工場、年産40万台を計画
◇ トレックス 16年度、売上高は205億円に、フェニテック連結化で
◇ ヤンマー、倉敷に新研究拠点、農業や医療にIoT活用
◇ 富士通ホーム&オフィスサービス、LED照明化に成功、低カリウム野菜の栽培
◇ ダイアログ・セミコンダクター、GaN市場に参入、集積化でアダプターに展開
◇ タワージャズ、新CIS技術を開発、深掘りPDで感度向上
◇ nessa、アップルと共同開発の補聴器、日本でサービス開始
◇ NOK、ベトナムに新工場、車載FPCの需要増で
◇ 東レエンジニアリング TCBボンダー、16年度は3割増収も、AP、積層メモリー牽引
◇ ウルトラテック、後工程露光機が好調、年内はフル生産が続く
◇ UDC 4~6月期、ライセンス25%増収、通期見通しは下方修正
◇ 写真化学とSKE、印刷技術を高精度化、オフセットで3μm実現
◇ 日本電気硝子、黒色銅メッシュタッチセンサー、超薄板ガラスで開発
◇ トリナ・ソーラー、4~6月は増収増益、出荷量1.6GWに増加
◇ JAソーラー、4~6月は5割増収、モジュール出荷大幅増
◇ 東京大学ら、水系電解液LiB、3V動作を実現
◇ ディスコ、SiCウエハーの新加工技術、従来比4倍超の生産性
◇ AMAT 5~7月期、受注高は26%増、15年ぶりの高水準
◇ ナノフォトン、ウエハー分析用のラマン顕微鏡発売
◇ アピックヤマダ、新型CM装置を開発、下型圧縮対応で横展開強化
◇ Jトップ、活性炭を自動再生、有機排水処理を低コスト化
◇ 海外医療診断機器メーカー3社 4~6月期、GE 4%増収で堅調、欧州勢は横ばい
◇ PilotLabs、家庭用AIロボット、11月に北米で発売
◇ 日機装 1~6月期、営業利益 47%増、航空事業が好調
◇ iPATROL、モニタリングロボ スマホで簡単操作
◇ DMM.com、犬型ロボットの取り扱いを開始
◇ TDK、トロニクスを買収、センサー事業を強化
◇ アルプス物流、埼玉に倉庫新設、圏央道開通で利便性向上
◇ DSM、植物由来の樹脂 極薄部品にも適用