電子部品30社、16年度も投資旺盛
設備投資は2桁増の6700億円、スマホと自動車が成長牽引
本紙は、電子部品専業メーカー30社の2016年度設備投資計画をまとめた。投資総額は合計で6700億円となり、伸び率では過去2年を大きく下回るものの、依然として前年度比2桁増を継続する見通しで、売上高1兆円を超える3社(TDK、村田製作所、日本電産)を牽引役として増産意欲に大きな陰りは見られない。製品別で見ても投資意欲に濃淡は少なく、引き続き日本デバイス業界の成長ドライバーであり続けそうだ。
30社のなかでも、TDK、村田製作所、日本電産の投資額が突出している。本紙の調べでは30社の13年度の総投資額は3071億円で、このうち3社の合計額は1770億円と全体の58%を占めていた。だが、3社は毎年、業界平均の伸びを上回る率で投資を増額し、14年度は全体の65%、15年度は69%を占め、16年度は計画値ベースで70%を超えてくる見通しだ。
近年の旺盛な投資を牽引してきたのが、スマートフォン(スマホ)と自動車の電装化だ。16年度もこの傾向に変わりはないが、スマホに関しては部品需要の牽引役がアップルからファーウェイ、オッポ、ビーボといった中国ローカルメーカーに移りつつある。
(以下、本紙2016年6月2日号1面)
◇ スマホ用有機EL、中小型投資の主役に浮上、蒸着装置の共同開発が重要に
◇ テスラモーターズ、生産計画を上方修正、18年に年50万台体制へ
◇ トヨタ自動車 15年度、営業利益2.8兆円に、16年度は販売台数3%増
◇ 日立など3社、無線でソフト更新、自動運転対応のECU
◇ 東芝 16年度投資、半導体は2850億円、3D投資に注力
◇ 旭化成 エレキ部門、買収効果で16%増収、16年度は赤字見通し
◇ MGIC、簡易電子キットの最新版、第3世代品を発売
◇ 米国半導体メーカー主要6社 1~3月期、売上高は7%減少、PC・スマホ向けが低迷
◇ クリー 1~3月期、照明不振で赤字に 新製品の遅れなど
◇ エレクテック、LED組立を拡張 3工場に計20億元
◇ レクザム、実装基板事業が好調、蘇州第2工場を増築
◇ 中興化成工業、フッ素樹脂CCL、車載や5G用に照準
◇ 華天科技、5年で20億元投資、WLPやMEMS強化
◇ ジャパンディスプレイ 16年度、設備投資は1500億円、茂原に6G有機ELライン
◇ アルバック、16年から受注本格化、有機EL用蒸着装置、6Gハーフ対応の技術確立
◇ 天馬微電子、全量を有機ELに、建設中の武漢6G工場
◇ 昭和シェル石油 1~3月期、PV事業は5割増収、東北工場が近く本格稼働
◇ 中国の太陽光発電導入量、1~3月は7GW超、年間で20GWの予測も
◇ 中来光電、泰州市にセル工場、n型単結晶で両面受光
◇ GSユアサ 車載用LiB事業、営業損失幅が縮小、下期は6億円の黒字
◇ 積水化学工業、CNT温度差発電シート、実用化へ性能向上
◇ シャープ、新蓄電池システム、HEMSで高効率
◇ 東京精密、7月までフル生産、八王子新棟も今夏稼働
◇ SCREENホールディングス 15年度、37%の増益を達成、半導体・FPDとも好調
◇ ダイヘン 15年度、過去最高業績を達成、電力・半導体向け好調
◇ サービス系ロボット市場、20年に2.7倍に拡大、富士経済調べ
◇ ユニバーサルロボット、日本支社を設立、協働ロボを拡販へ
◇ 富士通研究、呼気センサー開発、病気の兆候を診断
◇ 日本信号、自動清掃ロボット 17年の発売目指す
◇ 太陽誘電、16年度投資は300億円、SHE中心に能力増強
◇ 半導体後工程装置、電子部品で需要拡大、SAWはDBG導入
◇ 新日本無線、SAW事業が好調、15年度売上高4割増