FOWLP、サムスン 立ち上げに本腰
SEMCOとの一体運営推進、市場はInFO依存から脱却
低背化や反り軽減、さらには低コスト化を図れる半導体パッケージ技術として注目を集めるFOWLP(Fan Out Wafer Level Package)。これまでは台湾TSMCが手がける「InFO」に視線が集中していた印象だが、ここにきて韓国サムスン電子がいよいよ開発・立ち上げに本腰を入れ始めてきたようだ。同社がFOWLPに傾注することで、大手のファブレス半導体企業の選択も大きく変化するとされており、市場はこれまでの「InFO依存」から脱却し、より活発化した産業構造へと変貌を遂げそうな印象だ。
現状、FOWLPの立ち上がりによる装置・材料市場の拡大は、TSMCのInFO(Integrated Fan Out)に依存するかたちとなっている。同社は米アップルが今年9月に発売する「iPhone 7」向けにInFOを提供する。TSMCはアップルのニーズに対してパッケージ面から応えることで、ウエハープロセスからのフルターンキーサービスの受注に成功。サムスンとの競争で優位に立っていると見られている。TSMCは龍譚工場にあるInFO生産ラインへの装置導入をほぼ完了させており、4~6月期から本格量産に入る見通しだ。
しかし、一方でInFOは特定顧客および特定用途に限定されており、サプライヤーのあいだでは、さらなるプレイヤーの参入に期待が集まっていた。とりわけ、サムスン電子への期待値は高く、同社の動向には大きな関心が寄せられていた。同社は自社でプロセッサーやメモリーを手がけるだけでなく、ファンドリー事業として米クアルコムなどの有力顧客を抱えており、FOWLPを整備すれば、これら顧客企業も同技術を選択肢に入れることができるためだ。
(以下、本紙2016年5月5日号1面)
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