スマホ用有機EL、6Gハーフが量産基準に
製造コストでLTPSに肉薄、マスクなど周辺技術も重要に
アップルが2017~18年にiPhoneへの搭載を検討しているといわれる有機ELディスプレー。その量産には、第6世代(6G=1500×1850mm)ガラス基板を半分にカットした「6Gハーフ」(925×1500mm)基板を用いた真空蒸着工程を実現できるかが基準になる。すでにサムスンディスプレー(SDC)ただ1社が6Gハーフによる量産を実現できているためで、サプライヤーとして肩を並べる条件の1つと言えそうだ。蒸着用メタルマスクの大型化といった周辺技術を含め、追撃するFPDメーカーがSDCに追いつくのは決して容易ではない。
SDCが15年4~6月期に稼働した湯井(牙山市)の6G「A3」ライン。ここで6Gハーフの蒸着工程を実現したことが、スマートフォン(スマホ)への有機EL搭載を後押しする大きな要因になった。歩留まりの向上に伴い、SDCは「かつてに比べてスマホ用有機ELの製造コストを7分の1に下げた」(FPD業界関係者)といわれており、このコスト競争力を武器に、SDCは有機ELの外販を積極化。中国スマホメーカーなどを新たな顧客として獲得し、15年7~9月期から出荷を拡大して、競合する低温ポリシリコン(LTPS)からシェアを奪い始めた。
加えて、このほどA3の2期投資に着手し、16年上期中には月産能力を現有の1.5万枚から3万枚に増やす。次いで7~9月期中に再び3万枚規模の投資を実行する可能性があるとされ、追加増設が視野に入っている。
(以下、本紙2016年3月31日号1面)
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