指紋認証スマホ 販売拡大、2万円端末にもセンサー搭載
中国グディクスが価格破壊
スマートフォン(スマホ)の指紋認証機能は、2013年9月発売の「iPhone5s」に初採用され、今ではサムスンやファーウェイなどのハイエンド機種の標準機能として定着した。これまで指紋センサーは欧米ファブレスがIC設計を独占してきたが、15年秋に中国製の割安な指紋センサーが登場し、中価格帯スマホでも搭載が始まった。これにより、スマホの2台に1台が指紋認証機能を搭載する時代の到来が近づいた。
指紋センサーは、指の腹部分を押し当てて指紋を読み取る「タッチ式」と、なぞるようにしてスキャンする「スライド式」の2方式がある。サムスンのギャラクシーシリーズは「S6」と「S6エッジ」(15年4月発売)からタッチ式に変更。iPhoneも含め、今はタッチ式がスマホの主流になっている。
アップルは12年7月に米オーセンテックを3.56億ドルで買収し、自社内で指紋センサー技術を保有している。サムスンは米シナプティクスから、ファーウェイはスウェーデンのフィンガープリントカーズ(FPC)から指紋センサーの供給を受けている。
15年初めには、指紋センサーの新興勢力として台湾ファブレスのジェイメトリクス(茂丞科技)やイージステック(神盾股フン)、フォカルテック(敦泰電子)などが製品化に取り組んだ。しかし、後発だった中国ファブレスのグディクス(匯頂科技、広東省深セン市)が15年秋に指紋センサーを市場に投入し、欧米勢に続く第4の勢力となった。
グディクスの指紋認証モジュール価格は4~5ドル(480~600円)で、「アップルが使っているものより6~7割安い」(指紋センサー業界関係者)もようだ。中国ファブレスの価格破壊により、15年冬から中価格帯の中国スマホでも指紋認証機能を搭載したモデルが多数発売されるようになった。
(以下、本紙2016年1月21日号1面)
◇ 対峙する中国と台湾の半導体産業、中国は企業買収で技術開発加速、
中国台頭に揺れる台湾OSAT
◇ アマゾン、半導体市場に参入、子会社がチップ販売開始
◇ ボッシュ、自動運転の開発加速、日米独で公道試験実施
◇ ダイセル、新型ハードコート材料、基材の変形 ほぼ無しに
◇ トヨタ自動車、「つながる」化を推進、米社とミドルウエア開発
◇ AGC、がん財団が認証 自動車窓ガラス
◇ 東芝 S&S社、15年度は赤字200億円、メモリー収益力も大幅低下
◇ 日機装、深紫外LEDで合弁、台プラと戦略的業務提携
◇ 富士電機、ディスクリートの高速IGBT発売
◇ 住友ベークライト、半導体封止材、高付加価値化を推進、MUF・顆粒の出荷倍増
◇ 長瀬産業、液状封止の出荷倍増、FOWLP市場拡大で
◇ K&S、ウエッジボンダー新製品、コンタミ除去機能も
◇ マイクロン 9~11月期、営業利益が4割減、PC用DRAM低迷続く
◇ ダイセル、有機EL用新封止材、信頼性100倍以上に
◇ パナソニック、伸縮自在フィルム、透明電極材に応用
◇ 奈良先端大、IGZO駆動電圧 40%以下に削減
◇ オスラム、BL用LEDに新量子ドット技術
◇ 中国エコカー用LiB製造、政府が17社を認定、BYDや万向集団など
◇ PVは農地を目指す、NEDOプロで技術開発、追尾式、ワイヤー式架台など提案
◇ PVコスト17%下落、LCOEは石炭火力並みに、エナジートレンド調べ
◇ 住友電工、大型蓄電システム 北海道で実証試験
◇ 世界半導体設備投資、16年は4.7%減へ、前回予測から下方修正、ガートナー調べ
◇ レーザーテック、エッジ検査機を発売、ウエハーの歩留まり向上
◇ KISCO、米社の買収を完了 パリレン事業強化
◇ セグウェイ、個人用ロボ事業開始、シャオミー、インテルと連携
◇ 国内航空機メーカー、ホンダが納入開始、MRJは4度目の計画変更
◇ 東北大学、シルク電極を開発 ベンチャーを設立
◇ NASA、MITの機関に人型ロボを提供
◇ TDK、クアルコムとJV、高周波部品で提携
◇ 富士通ら3者、磁石開発指針を提示、Dy不要で抗磁力2倍に
◇ 高密度実装技術部会セミナー、極小部品の実装 1月27日開催へ