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2012/9/5(2005号)主なヘッドライン
新型iPhone 年末商戦にらみ「期待と不安」
インセル液晶がアキレス腱に、AP/BBは供給体制にめど

 米アップルの新型スマートフォン「iPhone5(仮称)」がついに市場に投入される。9月12日に開催予定の同社主催イベントでお披露目されるとの見方が有力で、北米を皮切りに順次、世界各地で販売が開始される見通しだ。停滞感が漂う半導体/ディスプレー業界では、年末商戦に向けた起爆剤として期待される注目製品だが、業界内では「期待と不安」が入り混じる。主要部品の供給問題だ。課題の1つとされていたアプリケーションプロセッサー(AP)やベースバンド(BB)などの半導体部品は、足元では供給体制にある程度めどが立っている一方、新型機種の目玉といえるインセル型液晶が「アキレス腱」として指摘されている。

 新型iPhoneは、2011年10月に発売された「4S」の後継機種。APやBBなどのチップセット、メモリー、ディスプレー、カメラなどほぼすべての主要部品が変更される見通しで、全面刷新の印象が強い。端末の頭脳を担うAPは32nm世代を活用した「A6」となる見込みで、これまで同様、サムスンが受託生産する。BBはLTE対応を図るべく米クアルコムの「MDM9615」と呼ばれるチップを採用。製造を請け負うTSMCは28nm世代を活用し生産する。
 当初、これらチップセットの低歩留まりが新型機種のボトルネックになると問題視されていたが、「万全といえないまでも、供給体制にめどは立っている」(業界アナリスト)という。サムスンの32nm世代も自社製APですでに量産で適用されているほか、TSMCも歩留まり向上に取り組むと同時に、28nm世代の能力を前倒しで増強しており、状況は大きく前進している。



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