OSAT、上位勢で再編加速
中国勢台頭を強烈に意識、台湾トップ連合実現は難航必至
半導体受託パッケージ・テスト事業を行うOSAT (Outsourced Semiconductor Assembly & Test)企業の業界再編が一気に加速している。中国最大手のJCET(長電科技)がシンガポールのスタッツ・チップパックを傘下に収めたのを引き金に、台湾ではトップ企業同士の合従連衡を巡る動きにまで発展している。台湾勢の動きは、JCETを筆頭とする中国勢の台頭を強烈に意識した動きともいえる。国内のジェイデバイスもアムコーの連結子会社となることが決まっており、今後の業界勢力図は大きく変わりそうな印象だ。
OSAT業界は長年、ASE、アムコー、SPIL、スタッツ・チップパックというOSATが市場の5割弱を握る構図が続いていた。前工程のファンドリー分野では台湾TSMCが独走態勢を築くなか、OSAT業界はそれとは異なり、共存共栄するかたちで、ともに業績を伸ばしてきた。
しかし、15年に入り、この「4強構図」が崩れている。中国最大手のJCETが業界4位のスタッツの買収を15年6月に正式発表。一気に業界3位に上り詰めることになった。JCETは政府系ファンドの豊富な資金を後ろ盾にスタッツ買収を推進。買収額はおよそ10.25億シンガポールドル(約874億円)と見られている。JCETは近年、先端パッケージ分野での事業拡大に意欲を示しており、先端志向の強いスタッツを手中に収めることで、これを実現した。
中国はハイテク産業におけるサプライチェーンの現地化、いわゆる「紅色サプライチェーン」を推進しており、JCETは半導体後工程における中核企業という位置づけだ。
(以下、本紙2015年9月17日号1面)
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