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Report11

新北里大学病院が竣工(下)、「成長する」スマート・エコホスピタル誕生


超急性期医療とポスト急性期の東病院と連携、回復期リハや緩和病棟新設

2014/1/28

新大学病院(左)と改修する既存の大学病院新棟(右)
新大学病院(左)と改修する既存の
大学病院新棟(右)
 北里研究所100周年・北里大学50周年の創立記念事業最大プロジェクトとして、(学)北里研究所(東京都港区白金5-9-1、Tel.03-3444-6161)が2013年12月に竣工させた新北里大学病院では、5月7日のオープンに向けた準備と、既設棟の改修と新大学病院との機能再編、北里大学東病院の改修と新大学病院との機能再編、さらに解体工事を進める。
 北里大学病院(相模原市南区北里1-15-1、Tel.042-778-8111)の新大学病院(免震構造のRC・SRC・S造り地下1階地上14階建て延べ9万2776m²、許可病床1033床、うち稼働病床数1021床(医科982床、治験39床))では、災害時に、1階フロアをトリアージに利用できるよう医療配管を壁に敷設している。
「けやきサロン」(健康情報館)
「けやきサロン」(健康情報館)
 サービス面においては、1階外来ホールにカフェ(スターバックス)を併設し、広いスペースと2階までの吹き抜け構造の空間を備えた「けやきサロン」を設置する。ガラス張りとすることで、より開放感を演出している。ここは、くつろぎの場となるとともに、患者や家族が症状などにかかわる情報が得られる健康情報館として、患者や家族のニーズを満たす。
 外来患者は、外待合や、けやきサロンと近接のカフェに設置された案内表示モニターに従い、各受診科の中待合室に入り、さらに、中待合のモニターに受付番号が表示されたら診察室に入る。
 新大学病院では、患者の入院前から退院後までの支援を総合的に行う「トータルサポートセンター」を設置するが、新大学病院の開院前から徐々に、その業務を開始している。高齢化に伴い罹患率がアップし、その後はさらに死亡数が大幅に増加することになり、その一方で、北里大学病院の病床は満床状態が続き、救急車の受け入れが困難となる状況も予想される。トータルサポートセンターでは、患者の入院が決まった時点で、看護師やソーシャルワーカーがその患者の退院後の状況を予想し、退院以降に支援が必要だと考えられる場合には、あらかじめ退院時に様々な支援が受けられ、スムーズに自宅療養へと移行できる体制を準備する。患者は、入院前から退院後の自身の状態が把握でき、また生活の予定が立てやすいというメリットがあり、ひいてはこの支援活動が在院日数の短縮化につながり、地域医療体制の保持にもつながる。
 このほか、新大学病院の周産母子成育医療センター小児病棟エリアと小児総合外来などにおいて、女子美術大学によるヒーリング・アートを壁面などにデザインし、癒しの効果を高める。また、適温で患者に料理を提供するため、新調理システム(ニュークックチル)も導入する。
 既存の大学病院新棟(延べ2万2613m²)は、新大学病院開院後の6月から改修に着手し、11~12月に改修を終え、15年1月に東病院から急性期医療部門や臨床試験部門を移設して、新大学病院が全面オープンとなる。
 大学病院新棟改修後のフロア構成は、4階が循環器内科、心臓血管外科、血管外科の病棟、5階が呼吸器内科、呼吸器外科の病棟、6階が腎臓内科、呼吸器内科、泌尿器科の病棟、7階が治験管理センターとなる。このうち7階については、6~12月の改修工事期間中、呼吸器内科と腎臓内科の病棟として暫定的に活用する。
 なお、大学病院新棟の1階は、フロアの南側半分を店舗にあてる。また新大学病院1階のけやきサロンと渡り廊下で連結する。1階フロア北側は情報システムの管理部門、2階が職員のロッカーなど、3階が事務管理部門となる。
 一連の工事完了後、新大学病院の名称を「本館」とし、大学病院新棟の名称を「1号館」とする。14年6~8月に救命救急センターの改修工事を行い、名称を「2号館」、また、現在の手術棟は「3号館」とする。駐車場は計855台を確保する。
 新大学病院(本館)と大学病院新棟(1号館)の機能再編後、15年1月からは北里大学東病院(相模原市南区麻溝台2-1-1、一般病床428床、精神病床129床)の改修工事を進める。
 新大学病院(本館)との機能再編については、先行して3月末に東病院の眼科外来、皮膚科外来の初診患者の受け付けを、4月30日に診療を終了する。ちなみに新大学病院には、眼科専用手術室も設置している。
 大学病院新棟の改修工事の進捗に併せて、東病院の急性期医療(消化器内科、消化器外科、整形外科)や臨床試験センターの移設も進め、東病院には、現在の精神疾患治療センター、神経難病センター、心臓二次予防センター、神経耳科、小児在宅支援拠点、健診施設などに加え、新規となる回復期リハビリセンター、在宅・緩和病棟を開設する。健診業務は現在も手がけているが、一連の改修・機能再編とともに大幅に受け入れ体制を強化する。東病院は、15年5月にリニューアルオープンし、超急性期医療・救急医療を担う新大学病院と、ポスト急性期医療を展開する東病院が機能面で分担し、密接に連携して地域医療を支える。
 東病院の臨床試験センターでは、36床の治験専用ベッドを備え、ヒトへ初めて投与を行う試験、特殊な集団における臨床薬理試験、各種疾患における薬物動態/薬力学試験、心臓安全性試験といった質の高い試験を行っており、新大学病院と東病院の再編整備の中で、新大学病院に臨床試験機能を統合する。
 15年1月からは北里大学病院の既存棟(病棟・外来棟・検査棟)の解体工事を進め、同年5月に完了、その後、同年5~7月に外構整備工事を行い、同年秋に、北里研究所100周年・北里大学50周年の記念事業最大のプロジェクトである新大学病院整備、東病院再整備が完了。両病院の機能分担と、超広域高速搬送に対応するヘリポート、高度先進医療から、回復期医療、在宅支援までをカバーし、さらに、臨床試験による新薬開発や、優れた医療人の育成を進め、次世代にわたり日本の医療をリードする。
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