商業施設新聞
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No.333

Viva! Sister!


高橋 直也

2011/9/6

 世の中、色々な店がある。
 ある日曜日、友人から相談があると電話がきた。聞くと、小生の前職(転職関連)に関する相談事だったので、会って話を聞くことになった。上野広小路で待ち合わせ、時間が昼時だったため、まずは上野広小路と秋葉原の間にあるラーメン屋へ。満腹になり、それでは話をしようと、秋葉原で喫茶店を探すことになった。

 しかし、秋葉原に行くと、意外と喫茶店がないことに気づく。ようやく見つけても、日曜日ということもあり、ほとんどの店が満席。「さて、どうしようか」と考えていると、友人が「アキバに来たんだし、メイド喫茶にでも行くか」と提案した。小生も、いいかげん歩くのが面倒だったので、友人の提案を了承。目の前にあった雑居ビルの7階に、それらしき店があり、さっそく向かった。

 入店すると、店員が開口一番、「お兄ちゃん、お帰りなさい」
 あれ、ご主人様じゃないの?と唖然。あと、小生は末っ子なんだが、と疑問に思っていると、「お兄ちゃんは、初めてのご帰宅ですか」と、何とも不思議な質問が飛んでくる。入った店はメイド喫茶でなく、“妹喫茶”だった。

 初めて来店した旨を伝えると、撮影禁止などのシステムを説明され、席に案内される。
 「お兄ちゃんたち、注文が決まったら、あたしを呼んでね」とカスタネットを渡され、妹は一旦撤収。メニューを見ると、ドリンクは1杯500円均一。『ダンス6300円(ホットケーキ付き)』というメニューが非常に気になったが、グっとこらえて、カスタネットを叩き鳴らして店員(妹)を呼び、友人とともにアイスコーヒーを注文。場違いな雰囲気を感じつつも、妹により商品が運ばれてきたところで、友人の転職相談を開始した。

 友人から履歴書、職務経歴書などを渡され、内容について議論。小生は転職を甘く考えてないかなど、あえて厳しいことも伝える。友人もまじめに聞いてくれて、転職について改めて考えている。
 すると、背後から「お兄ちゃん、何してるの?」と“妹その2”が突如、声をかけてくる。真剣に議論していたので、完全に水を差された。しかも、友人の履歴書を勝手に手に取ろうとする。思い切り個人情報のため、履歴書を慌てて隠す。“妹その2”に、まじめな話をしている旨を伝えて追い払い、再び話に戻る。
 すると、今度は“妹その3”が「お兄ちゃんたち、何してるの?」と大声で話の腰を折りにやってきた。しかも、また履歴書を勝手に見ようとする。連続で邪魔をされたので、やや強い口調で、追い払った。

 その後、“妹その5”に話の腰を折られた時点で、店を出ることにした。妹たちへの対応に疲れていたので、殺伐と会計を済まし、店の前でエレベーターを待つ。待っている間、別の客が会計しているのが耳に入った。金額を聞いて驚愕。お二人様で8300円だった。
 何を注文したのか不明(ダンスか?)だが、金を使う人は使うのだ。アンダーグラウンドな店は、根強いファンがいることを思い知った。万人に愛される店だけが、良い店では決してないのだ。
アキハバラ イズ ディープ
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