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第15回

PETEC、独自の樹脂リサイクルで経産大臣賞受賞


2015/12/8

 パナソニック エコテクノロジーセンター(株)(PETEC、兵庫県加東市佐保50、Tel.0795-42-8570)は、使用済み家電製品の再商品化(リサイクル)を進めており、10月に独自の樹脂リサイクルの取り組みが「平成27年度 資源循環技術・システム表彰」の経済産業大臣賞を受賞した。本稿ではその取り組みなどをレポートする。

場内では冷蔵庫や洗濯機などの家電がリサイクルされている
場内では冷蔵庫や洗濯機などの
家電がリサイクルされている
■国内有数の家電リサイクル拠点
 家電リサイクル法が施行された2001年4月に操業を開始した同社は、薄型テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機を年間70万~80万台処理する国内有数の家電リサイクル工場。敷地面積約3万8570m²、延べ床面積約1万5100m²の規模を有し、累計処理台数は約1188万台(15年10月末時点)にものぼる。現在、冷蔵庫の処理ラインの増強を進めており、12月の完工、16年1月の稼働を予定。投資額は約5億円で、処理能力は現在の平均500台/日から同800台/日まで増える見通しだ。そんな同社は近年、使用済み家電のシュレッダーダスト(混合樹脂)に関する循環リサイクルで注目を集めている。

シュレッダーダストの選別設備
シュレッダーダストの選別設備
■シュレッダーダストを1プロセスで選別
 通常、家電リサイクルの手順としては、まず使用済み家電を手で解体し、機械で破砕する。その処理物から鉄、銅、アルミなどを回収し、シュレッダーダストだけが残る。このシュレッダーダストは、以前は廃棄あるいは燃料として活用されていたが、PETECは10年に近赤外線識別技術を用いて樹脂を高精度で選別する技術を開発した。これはシュレッダーダストに光をあて、その反射光の波長を近赤外センサーで検知することで、その樹脂の種類をポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)の中から特定できるシステムだ。しかし、3種類の樹脂ごとに装置切り替えが必要だったことから処理速度に課題があった。
 そこでPETECはパナソニックの生産技術本部らと改良を進めることで、14年6月、1台の選別設備でシュレッダーダストの中からPP、PS、ABSの3種類の樹脂を高純度で同時に選別する技術を開発した。さらに単一樹脂と同時にRoHS規制対象となる臭素成分の含有判定を同時に実施することが可能となった。

■樹脂循環工場でペレットに
 PETECの隣接地には、炊飯器を製造するパナソニックのキッチンアプライアンス事業部加東地区工場がある。そして同工場内には11年11月から樹脂循環工場が稼働しており、PETECで選別回収された樹脂が持ち込まれ、水が不要な乾式による洗浄・異物除去が行われる。そして独自の添加剤を加えて再生樹脂ペレットに加工することで、新品材料の混合を必要としない家電用の再生樹脂材料へとリサイクルできるという仕組みだ。コストも新品材に比べ20~30%安くできるという。この樹脂循環リサイクルの仕組みを導入した結果、14年度の成果として、従来は廃棄されていた混合樹脂から905t/年の単一樹脂を回収することに成功した。

■他工場へも技術を展開へ
 近赤外線選別設備1台で3種の単一樹脂(PP、PS、ABS)同時選別と臭素含有の判定ができる生産性の高さに加え、洗浄などに水を使用しておらず、排水などが発生しないため環境負荷が小さい。そして再生樹脂100%で家電製品に活用できる品質を持たせることができるといった点が評価され、この樹脂リサイクルシステムは10月に「平成27年度 資源循環技術・システム表彰」の経済産業大臣賞を受賞した。
 PETECでは、本システムを他のリサイクル工場へ導入することも推進しており、茨城県稲敷市にあるリサイクル工場の「パナソニックエコテクノロジー関東(株)」では導入が完了。そして三重県四日市市にある中部エコテクノロジー(株)(三菱マテリアル、パナソニック、三菱化学の出資会社)でも導入が検討されており、再生樹脂の回収拡大を今後もさらに進めていく。
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