■発刊趣旨とご購入のご案内

　スマートグリッド構想が叫ばれる中、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛電池に代表される2次電池の重要性はますます高まっております。携帯電話、ノートPC、電動工具、玩具などの民生機器では使われて久しいですが、一方で、環境対応車、電動スクーター、電動自転車、定置用電源といった大型用途でも一部実用化が進んでいます。環境対応車では電気自動車、ハイブリッド自動車の出荷が伸びていますが、これらに搭載されるリチウムイオン電池、ニッケル水素電池の需要も同様に伸びております。また、定置用電源は東日本大震災後の電力不足を背景に期待が高まっており、2012年度からは経済産業省の補助金の対象にもなりました。加えて、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーで発電した電気を貯蔵するシステムとしても期待されています。
　一方、電気二重層キャパシタやその一種とも言えるリチウムイオンキャパシタにも期待が集まっています。いずれもリチウムイオン電池ほどのエネルギー密度には対応していないものの、長いサイクル寿命、大電流入出力では圧倒的に優位にあります。電気二重層キャパシタは、携帯電話、携帯音楽プレーヤーなど携帯機器向けでは以前から使われているほか、瞬時電圧低下補償装置、無停電電源装置、工場内搬送システムなどの大型用途で実用化されています。今後は自動車のアイドリングストップやエネルギー回生用途でも採用されていく見込みです。このほか、2次電池と同様に再生可能エネルギーと組み合わせた蓄電用途としても実用化されております。
　これら2次電池と電気二重層キャパシタの供給サイドを見ると、いずれも日本メーカーが優勢です。一方で、最も需要の高いリチウムイオン電池では韓国、中国、台湾などが急激に追い上げており、今後の勢力図は目が離せません。
　本書は2010年に発刊した『2次電池・電気二重層キャパシタ産業総覧』の最新版です。リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどの電池および材料、製造装置、市場動向など2次電池に関わるすべての分野を多角的に捉え、また、大学・研究機関の研究開発動向についても網羅しました。

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■内容構成