新卒採用が本格化する時期になった。ショッピングセンターや店舗も人員体制の強化を図る一方で、パート・アルバイトなどの人手不足が深刻になり、フード系や販売・サービス系の時給はコロナ前を超える水準だ。しかも商業施設に欠かせないホスピタリティ精神がある人材はどの業界からも求められており、業界間の奪い合いが起きている。そうした中、（株）リクルートに取材すると、商業施設関連は採用において「苦手なこと」「改善点」もあるようだ。どのような取り組みが求められるのか。

■際立つ宿泊関連と飲食店の人手不足
　様々な業界がある中で、特に人手不足が進むのが宿泊関連と飲食店だ。（株）帝国データバンクは1月時点の人手不足について調査を発表した（有効回答企業数は1万1719社）。従業員の過不足状況を尋ねたところ、正社員について「不足している」と回答した企業は51.7％で、1月としては2019年（53.0％）に次いで2番目の高さとなった。非正社員について「不足」と感じている企業は31.0％で、1月としては19年以来4年ぶりの3割超となった。
　情報サービス、金融など様々な業種がある中でも「旅館・ホテル」の人手不足が目立つ。調査によると「旅館・ホテル」において、「不足している」と回答した割合は正社員では77.8％で、非正社員では81.1％となり、業種別で最も「不足している」と回答した割合が高かった。インバウンド需要の高まりによって景況感が回復していることに加え、コロナ禍で転職した層もいるとみられ、これが人手不足に拍車をかけている。
　一方、正社員と非正社員で違いがあったのは2位の業種。正社員では2位が「情報サービス」だったが、非正社員では「飲食店」だった。飲食店は、旅館・ホテルとほぼ同等の80.4％が「不足している」と回答した。コロナで店の営業ができない・時短営業となったこともあり仕事を離れた人も多く、これが人手不足の背景にある。

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