■発刊趣旨とご購入のご案内

　2018年の外食産業市場規模は25兆7692億円と推計され（日本フードサービス協会の調査）、前年比で0.3％増加しています。緩やかながらも長く拡大基調にあり、消費者の飲食に対する消費性向は厳しい経済状況の中でも健在と言えるでしょう。また増加するインバウンドの需要も、近年は買い物から観光、そして飲食という体験重視にシフトしており、飲食への需要は増えていく状況にあります。
　こうした食需要の高まりから、各商業施設では飲食に関するテナントを積極的に導入しています。かつて花形だったアパレルに代わり、フードコート・フードホールを集客の柱にしたり、レストランフロアの改装、雑貨と飲食のコラボ店舗導入などが盛んです。また飲食事業者側も、ロードサイド店舗が飽和する中、商業施設への出店を重視するなど、商業施設と飲食に関する意識が高まっています。
　その一方で、飲食業界には消費増税の影響や景気の落ち込み、慢性的な人手不足、競争の激化などの問題が存在しています。また、商業施設への出店が増える一方で、思うように集客ができなかったり、施設客層と飲食客層のミスマッチといった問題も起きています。
　こうした状況において、飲食業界の各社はメニューや接客の差別化、フードコートなどへ対応した新業態の開発、体験を重視する店舗の開発など、様々な施策を実施しています。
　本書は、激動の渦中にある飲食業界と商業施設のトレンドを読み解き、時代のニーズに即した施設づくりの指針となることを目指して編集・製作いたしました。6章構成となっており、第1章では飲食業界の現状や商業施設との関わりをまとめました。2章は外食主要13業界での各ブランドの動向・戦略を詳述し、3章では商業施設を手がける様々なデベロッパーが食についてどのような取り組みをしているかを紹介します。4章ではトレンドの最前線を行く、注目の飲食店・商業施設を取り上げ、5章では米国における最新の飲食事情をレポートします。6章では20年2月以降開業予定の商業施設で、食テナントが出店するか出店が予想される案件を収録しました。

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■内容構成