中国FPD工場、17年まで投資継続
6Gシフトで計画5件、LTPS量産ステージへ
スマートフォン(スマホ)用の高精細パネルでは、まだ日韓台メーカーのシェアが高い。しかし、2015年には天馬微電子が低温ポリシリコン(LTPS)TFTパネルの出荷量を拡大し、中国では16年から5つの第6世代(6G)工場が立ち上がり始める。こうしたLTPSや有機EL工場への装置導入案件が17年まで継続する見通しだ。近い将来、中国は高精細パネルでも日韓台メーカーを脅かす存在になるだろう。
ある日系製造装置メーカーの営業幹部は「中国のパネル業界で長く営業してきたが、今が一番忙しい」と話す。パネル工場への投資はテレビ用から高精細スマホ用に流れが変わり、中国メーカーが各地で6G新工場建設を開始している。16年から装置導入を計画している6G工場は5件に及ぶ。
中国最大手のBOE(京東方光電科技、北京市)は四川省成都市に6G工場を建設している。16年9月に月産能力3万枚のLTPS用製造装置を導入する。その後に、LTPSをアクティブ駆動用のバックプレーンとして使う有機ELパネルの蒸着工程も導入する。
中国2位のCSOT(華星光電科技、広東省深セン市)は、湖北省武漢市に6G工場を建設している。15年末からLTPSの製造装置(月産能力3万枚)を導入する。この後に有機ELの蒸着工程も立ち上げるが、これはまだ導入時期が定まっていない。元TMDの日本人や台湾人技術者らが深センで武漢6G工場の立ち上げ準備を進めている。
天馬微電子も武漢市で6Gによる生産を計画している。3月中旬に起工した。
(以下、本紙2015年4月2日号1面)
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