スマホ用CMOSセンサー、「高画素至上主義」の脱却進む
位相差、OISの導入加速、周辺部材に商機拡大
スマートフォン(スマホ)用CMOSセンサーの技術進化に変化の兆しが見え始めている。これまでは高画素化や、それに伴うBSI(裏面照射型)の採用などが技術開発における最優先事項であったが、近年はこれに加えて位相差AF(オートフォーカス)方式やOIS(Optical Image Stabilization=光学式手ブレ補正)の導入などが進んでおり、「高画素至上主義」からの脱却が進んでいる印象だ。トレンドの変化を受け、レンズやアクチュエーターなどのカメラモジュールを構成する周辺部材にも商機が広がっており、今後CMOSセンサー各社の戦略にも大きな影響を与えそうだ。
これまで、スマホ用CMOSセンサーの技術トレンドはまさに高画素化一辺倒とも呼べるほど、偏ったものとなっていた。スマホメーカーの旗艦モデルでは、1300万/1600万画素の搭載が一般化しており、15年は2000万画素の搭載が現実味を帯びてきているほどだ。高画素化に伴う感度低下に関しては、BSI技術の導入が進み、画素数だけをみれば、デジカメとほぼ遜色ないところまで来ているのが現状だ。
しかし、モバイル機器ではコストの観点から搭載できるチップサイズ(=光学サイズ)に制約条件があり、より多くの画素を詰め込めば、画質低下のリスクにさらされる。それでも、スマホは高画素化競争を引き続き繰り広げており、「(スマホで)これ以上の高画素化が必要なのか」(CMOSセンサーメーカー)という声が聞かれるほどだ。
(以下、本紙2014年11月19日号1面)
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再編や構造変化で下方修正も
◇ ホワリー、工場建設地を変更か、背後に上海巨大ファブ構想
◇ UMC、28nm 2万枚超に、台南で15年前半までに
◇ 長電科技、スタッツに買収提示、7.8億ドルで交渉へ
◇ TI、成都で後工程開始、300mmバンプラインも追加
◇ ルネサス 4~9月期、大幅な増益を達成、車載・産業機器向け堅調
◇ ローム 4~9月期、車載や産機向け好調、通期見通しを上方修正
◇ ロボット製品、商業利用はじまる、日米の小売業が導入へ
◇ メガチップス、サイタイム買収 海外事業を強化
◇ シャオミー、APを内製化へ、リードコアと共同開発
◇ UMC 7~9月期、通信好調で3%増収、28nm比率3%に上昇
◇ ハイシリコン、無線通信ICを開発、TSMCが16nmで試作
◇ イビデン 電子部門、通期予想を下方修正、高密度BU基板が苦戦
◇ フジクラ 4~9月期、FPC事業 上振れ、実装比率が上昇へ
◇ 日本マニュファクチャリングサービス、EMS事業を積極拡大、電源分野をコアに展開
◇ LGディスプレー、有機ELの生産拡大、車載を18年に20億ドルに
◇ ELK、センサー細線化へ、15年にはL/S10μmに
◇ シナプティクス、TDDI量産出荷へ、RSPとの開発品は15年
◇ ラムリサーチ 7~9月期、装置出荷高4%減、ファンドリー比率が上昇
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◇ トクヤマ、多結晶Si見直し、マレーシア1期に遅れ
◇ 田中貴金属工業、DSC用色素を製造、東大からライセンス取得
◇ BAK、成都にEVバス工場、LiBとバス会社が協業