電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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2017/7/27(2255号)主なヘッドライン
MLCC、車載と産機中心に需給逼迫
スマホも新機種発売で拍車、有機ELも大容量品必要に

 積層セラミックコンデンサー(MLCC)の需給が、車載と産業機器分野を中心に逼迫している。車載はADAS(先進運転支援システム)系とパワートレイン系を主軸に、産機はIoTの本格化と5Gの実用化を控えた通信インフラの整備を背景に需要を拡大している。さらに今後に向けては、スマートフォンの新機種発売もこれに拍車をかける。2021年前後までの4~5年間、MLCCの総需要は右肩上がりの軌跡を描き続ける気配が濃厚になってきた。

 電子回路において、MLCCの担う役割は大きく2つ。デカップリングとノイズ除去である。デカップリングとは半導体が駆動するのに最適な電力を供給すること。ノイズ除去とは必要な情報信号と不要な信号(ノイズ)に分離することである。
 半導体の駆動電力は低消費電力化が進んでいる。しかし、処理する情報信号量は限りなく増加傾向にある。このため信号伝播の高周波化は避けられず、駆動電力は大電流で低電圧化の流れにある。半導体の大電流化に応えるには、MLCC静電容量の大容量化は必須だ。しかも高密度実装の加速に伴い、小型化に対するニーズも同時に満たす必要がある。
 MLCCの進化においては、この小型・大容量化が永遠の開発テーマとなる。チップサイズを小さくしつつ、かつ静電容量を引き上げるのは至難の業。より高度な積層技術が求められるため、車載や産機用など高付加価値MLCC供給メーカーは、供給責任を果たせる一定の生産規模と技術力を両立させたメーカーのみになる可能性が高い。

(以下、本紙2017年7月27日号1面)



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