電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第63回

(株)東芝 ディスクリート半導体事業部 白色LED開発部参事 本舘淳哉氏


200mmシリコンでLED量産
MOCVD増設で能力2.5倍に

2014/1/17

(株)東芝 ディスクリート半導体事業部 白色LED開発部参事 本舘淳哉氏
 (株)東芝(東京都港区芝浦1-1-1、Tel.03-3457-4511)は、2012年10月から加賀東芝エレクトロニクスで8インチのシリコン(Si)ウエハーを用いたGaN on Si LEDの量産を世界に先駆けて開始した。現在のところ、SiベースのLEDチップを量産できている世界で唯一の半導体メーカーといえる。事業化の経緯や現状をディスクリート半導体事業部白色LED開発部参事の本舘淳哉氏に伺った。

―― 事業化にいたる発端は米ブリッジラックスとの共同開発ですね。
 本舘 両社の共同開発は12年に始まった。ブリッジラックス社は大口径Siウエハー上にGaN結晶を成長させる技術に優れており、結晶の質が高かった。東芝が得意とする大口径ウエハーの量産技術と組み合わせれば成功すると確信していた。

―― 事業化に向けて検討したことは。
 本舘 デバイスの市場規模、製造技術、製品特性の3つだ。市場規模について、LEDは蛍光灯など既存光源の置き換えで莫大な需要が見込めるため迷いはなかった。だが、製造技術に関してはサファイアベースのチップメーカーがはるかに先行しており、同じ土俵で勝負すべきではない。投資効率と参入の切り口を考えれば、Siで大口径化というシナリオが最良だった。

―― 製品特性について。
 本舘 学会レベルの比較だが、Siベースのチップ特性ではもちろん当社とブリッジラックス社の共同開発品が世界トップだと自負しており、サファイアベースのチップとほぼ並んでいる。量産ベースではサファイアにまだ敵わないところがあるかもしれないが、材料コストが圧倒的に違う。

(聞き手・本紙編集部)
(以下、本紙2014年1月15日号3面)

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