CMOSイメージセンサーに加えて、アナログLSIでも存在感を放つソニー(株)(東京都港区港南1-7-1、Tel.03-6748-2111)。Felicaなどに代表される無線通信IC製品群と並ぶ主力製品として、光ディスクの世界を開拓し、その発展を支えてきたキーデバイス、半導体レーザーダイオード(LD)がある。光ディスク市場が成熟期を迎えた今、LD技術をどのように発展させ、事業をどの方向に展開しようとしているのか。デバイスソリューション事業本部アナログLSI事業部 事業部長の宮林正幸氏に現状や今後の展望などを伺った。
―― LDの生産能力について。
宮林 ソニー白石蔵王テクノロジーセンターで一貫製造しており、月産能力はトータルで3100万個だ。内訳は、青色LDが600万個、赤色と赤外のLow/Low2波長LDが2200万個、プリンターなどに使用される赤色と赤外LDが300万個である。
―― 光ディスク用LDの状況は。
宮林 光ディスクドライブ搭載機器の需要が伸びず、生産量は頭打ちだ。ブルーレイディスク用の青色LDも出力が420mWに達し、高出力化への取り組みは終了した。今後は生産性の改善を進めつつ、光ディスク用以外の開発を推進していく。
―― 光ディスク用以外の用途とは。
宮林 近赤外LDの領域として、次世代HDD、光配線、センシングが期待されている。また、赤色、青色、緑色LDを用いたディスプレー用光源の実用化も検討されている。
(聞き手・本紙編集部)
(以下、本紙2013年12月11日号3面)