「営業利益率11%達成」、「市場の期待値を大きく上回る実績」―。SKハイニックスが記録した2013年第1四半期(1~3月)の業績を韓国メディアが報じた見出しである。同社は1~3月期に売上高2兆7810億ウォン(約2528億円)、営業利益3170億ウォンを達成した。この好調を支えるSKハイニックスジャパン(株)代表取締役社長の尹瑛駿(ユン・ヨンジュン)氏に、メモリー業界の熾烈な競争を生き残った同社の底力と今後の成長戦略について話を伺った。
―― まずSKハイニックスジャパンの歴史から伺います。
尹 1983年、当時の現代電子産業(株)東京支店の開設からスタートした。いまは東京都港区虎ノ門に日本法人を設けており、大阪に支店を開設している。現状で正社員45人が働いているが、このうち日本人は29人を占めており、韓国語も流暢に駆使できる人材が集まっている。
―― エルピーダメモリが昨年、経営破綻しました。それ以降、貴社の日本市場における位置づけに変化を感じますか。
尹 日本市場は、世界市場のなかでもゲーム機をはじめ、カメラや車載ナビ、プリンターなどの分野で業界を牽引している。当社はこのような現状を踏まえて、日本の主な電機・電子メーカーと戦略的なパートナー関係を様々な方面で強化しており、日本における知名度がさらにアップしていると感じている。
―― 具体的にどのような部門を強化していますか。
尹 PCとコンシューマー向けの汎用製品はもちろん、SSD、KGDやカスタム製品なども強化している。さらには近年、需要が増加しているスマートフォン向けのモバイルDRAMやeMMCといった製品の比率を高めるなど、品質に厳しい日本市場における信頼性の向上を通じて、さらなるシェア拡大に傾注している。
―― 日本市場での主な取引先について。
尹 ソニー、東芝をはじめ、富士通やパナソニック、京セラなど総数80社余りと取引している。当社は、メモリー半導体専業メーカーという強みを活かしつつ、納期や品質などで顧客から多大な信頼を得ている。日本に供給する製品の構成比は、DRAMが80%、NAND型フラッシュが20%となっている。
(聞き手・本紙編集部)
(以下、本紙2013年5月8日号1面)