電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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ケイ・ピー・ディ


基板上に浮世絵 装身具にも展開

2018/5/18

ケイ・ピー・ディの「神奈川沖浪裏」
ケイ・ピー・ディの「神奈川沖浪裏」
 (有)ケイ・ピー・ディ(東京都葛飾区細田5-22-10、Tel.03-3659-8899)は、長年培った基板設計技術で作製したプリント基板アートを出展する。注目は、葛飾北斎の有名な浮世絵「富嶽三十六景」の1つである「神奈川沖浪裏」だ。卓越した基板設計技術を駆使し、既存のプリント基板製造技術を使って作製した。

  同社は、高性能CADを駆使したプリント基板設計をコア事業としているが、最近は部品実装や機器開発なども広く手がけており、医療機器やインフラ関連機器などのメーカーと取引がある。そのなかで基板アートは技術力のアピールにも一役買っている。

 リーマンショック後に経営が苦境に陥ったことが、基板アートを始めたきっかけという。顧客の新規開拓のため、プリント基板の可能性を広げていく必要があると考え、持ち前の設計力をアピールできる基板アートに着目。高性能CADを使ったL&S 0.1/0.1mmというファインパターンの回路設計や、ごく薄い基板の設計が得意な技術力をアートに展開した。そして、細線で葉脈を表現した木の葉型アクセサリー(ペンダントやピアス)や、細線や極薄型基板を組み合わせた金属アートなどを作製、注目を集め始めた。アクセサリーはネット販売も行っており、売れ行きも伸びているという。

 「神奈川沖浪裏」は、同社の基板アート技術の集大成といえる傑作だ。曲線が多く、設計の難易度は高いが、同社はCADの限界にチャレンジし、見事に難局を乗り切った。使用しているCADは図研製だが、アートの設計はベンチマークにもなるため、図研からも喜ばれているという。今後も基板アートに注力しつつ、そこで培った技術を本業のビジネス拡大につなげたい考えだ。

(本紙2018年5月17日号5面 掲載)

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