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第102回

(株)コメダホールディングス 代表取締役社長 臼井興胤氏


20年度末に1000店へ積極出店継続
既存店昨対向上が課題

2017/10/31

(株)コメダホールディングス 代表取締役社長 臼井興胤氏
 「コメダ珈琲店」を展開する(株)コメダホールディングスは、国内出店を成長ドライバーと位置づけ、FCオーナー出店支援などを通じ空白地帯への出店も進め、2020年度末に1000店を目指す。コメダとしての出店余地(既存店を含め)は1400店とみる。18年2月期も前期と同水準の70店前後の新規出店を計画し、今期末には800店超となる見通し。売り上げも17年2月期は前年比110.7%の240億5000万円を達成、今期は260億円を計画する。同社代表取締役社長 臼井興胤氏に聞いた。

―― コメダ珈琲店は幅広い層から支持を得ています。
 臼井 名古屋文化では客人が来たら、「コメダにでも行こう」と誘い、いつものサービスを受ける。コメダ珈琲店は生活圏のそばにあるので、食事よりもおしゃべりやくつろいだり、外にある“リビングルーム”としてお使いいだいている。名古屋でコメダは強い。「喫茶店があるからそこに行く、ないから行かない」。供給が需要を作った。

―― 業績が好調です。
 臼井 好調とは思っていない。前期は既存店売上高は前年比98.5%。QSC向上や商品ラインアップ充実で既存店売り上げを向上させたい。
 アメリカの飲食アナリストレポートによると、米国飲食店の既存店昨対は105%だ。移民増加などにより、100%を割ることは少ないが、日本は100%を超えることが少ない。
 近年、積極出店を続けており、店舗数は前期で700店を超えたが、最近の課題は新店の売り上げが3年目で落ちていくこと。以前は出店すると認知度と共にじわじわ上がっていった。今日はSNSなどを通じて、たくさん来店されて、開店景気で初年度は計画を大幅に上回るが、3年目は98%くらいになる。特に関東、関西で顕著だ。
 また競合が近隣に出店する。当社が出店するとマーケットができあがるため、競合にとっては来店が見込める。一時売り上げは10%程度落ちるが、そこから徐々に回復する。そこは当社の50年の強みだ。

―― 1000店へは。
 臼井 あと3年をめどに達成したい。現在、青森、秋田、沖縄が空白地帯で、今年から来年にかけて空白を埋めていきたい。北海道は昨年に初進出し、今年度は5店くらいになるのではないか。

―― 都内については。
 臼井 東京都心の山手線圏内は、最後に出ていくことになるだろう。その際、コメダ珈琲店の形態かどうは未定だ。だが、錦糸町、中野、亀有、浅草橋など、やや都心から外れているところが今のスタイルに合っている。我々の強みは、生活圏であり、リビングルーム使いだからだ。

―― 現在の立地は。
 臼井 一番多いのはロードサイドで7割弱。3割弱がビルイン。残りがSCだ。

―― ロードサイドは難しいといわれていますが。
 臼井 ロードサイドはオフィスに近いわけではなく、家のそばにある。今後働き方が変わり、在宅勤務が増えてくる。生活圏が今以上に重要になることは当社には勝機がある。コメダにはコンビニと同様に商圏を掘り起こす能力がある。

―― 自社競合は。
 臼井 愛知に250店あり、店舗同士で1~2km圏は普通にある。当社のFCシステムのコア部分として、エリアごとにFCオーナーに渡している。当然、1件では当たり外れあるがあるのは当然。しかし、3件出店することで、うまく回るケースが多い。50年間、中京で商売がうまくいかず閉店した店はほとんどない。なぜかというと、「安近短」の鉄則から、商圏を掘り起こすからだ。また、1オーナーが複数出店することで、競合が出てこないように面で抑えられる。

―― 和の甘味喫茶の「おかげ庵」は。
 臼井 おかげ庵は中京で18年間展開しているが、私が社長に就任して一時期拡大をストップさせていた。あのまま続けると、コメダと競合していたからだ。そして4年の間にメニューを少しずつ変え、横浜市のあざみ野に関東1号店を出店した。ここではモーニングの半分がおぎにりとなるなど新しいニーズが生まれている。今後立地が良ければ、おかげ庵も展開したい。

―― 中国・上海に出店しました。状況は。
 臼井 今回、上海には投資せず、人を受け入れて教育をしたり、当社から人を送り込んでいる。大きな収益は生まないが、リスクを抑えている。去る7月22日に2号店を出店し、上海は今期中に増える予定だ。

―― その他の国・エリアは。
 臼井 台湾で昨年から数社と協議を始めた。今年中に動き出したい。独資でなく、パートナーを見つける。条件が合えばジョイントベンチャーも視野にある。
 また、チャンスがあれば広げていく考えで、20年度末には海外は数十店程度にまで増やしたい。

―― 今後の展望を。
 臼井 先日、映画『ファンダー』を観て感銘を受けた。1950年代のマクドナルド創業者の物語だが、彼らが目指すのはアメリカ全土に団らんの場をつくることだった。時代、民族は違えど、コメダの「くつろぐいちばんいいところは」を日本、そして世界中に広げたいというのは荒唐無稽に聞こえるかもしれないが、どこでつながるかわからない。おもてなしという日本の価値の高い文化を当社は接客サービスのレベル向上で強化している。文化は民族を超えて、おもてなしや日本人のサービス精神を世界中に広げる、それが出店につながる可能性がある。

(聞き手・編集長 松本顕介)
※商業施設新聞2209号(2017年9月5日)(8面)
 経営者の目線 外食インタビュー

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