商業施設新聞
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No.623

花火の進化


永松 茂和

2017/9/12

 今年は7月から8月にかけて、「異常気象」と言ってよいほど天候の変化が激しい夏だったと思う。7月には九州豪雨があり、8個の台風も発生した。一方、首都圏では梅雨前線の影響をほとんど受けず、梅雨にも関わらず雨はほとんど降らないばかりか、気温も連日35度に迫る猛暑となるなど季節を先取りした感があった。当然、8月も暑くなると思いきや、一転して猛暑は影を潜め、8月1日から半月以上も連続して降雨を記録したため、夏休みをどう過ごすか迷った人が多かったと想像できる。そういう自分も、毎年夏にはどこか旅行に出かけるのが常であったが、今年は天候の不安があるので、近場のレジャーで済ませることにした。

 単純に、夏の風物詩といえば「盆踊り」や「花火大会」を思い浮かべる。今年は久方ぶりに花火大会に行ってみることにした。できればいい場所で見られたらと思い、指定席も検討したが、すでに前売りで完売しており、河川敷近くの公園で見ることにした。

全国の花火大会巡りも面白そうだ
全国の花火大会巡りも面白そうだ
 花火大会となると、いつもの街の状況とは一変する。道路は、浴衣を着た女性や家族連れ、カップルなどが会場に向かって列をなして歩き、通りすがりの店では花火大会にあわせて店頭でビールや焼き鳥、焼きそばなどを販売し、民家の前でも物を販売しているのには驚かされる。何しろこの花火大会は、観客動員数150万人を集める日本最大規模を誇るため、絶好の商売のチャンスとなり、気合が入るのは当然ともいえる。

 花火の打ち上げ総数は約1万4000発。約5秒間に1000発の花火を打ち上げる壮大な大輪花火のオープニングから始まり、期待を持たせる展開でスタートした。白銀の富士山の冬景色を表現した花火、神秘の楽園、ミツバチが自由に飛び交う花火、様々な色に変化させたイエローマジックなど8つのテーマで構成し、テーマごとに趣向を凝らした花火を打ち上げる。以前の花火は、大輪や柳のような花火を単純に打ち上げるだけのイメージが強かったが、昔ながらの花火も大きく進化していることに気づく。

 まず、色の数が増えてカラフルになったし、ドラえもんなどのキャラクターや、猫、牛といった動物、様々な文字などが明確に表現されている。また、最近では遠隔操作による電気着火の打ち上げが可能となり、これによって、きめ細かい花火が演出できるのだという。また、あらゆる角度から見ても美しさがよくわかる3D花火も打ち上げられ、3D音響の演出による花火大会なども開催されているそうだ。

 毎年、何気なくきれいだと見上げていた昔ながらの花火大会も、年々進化を遂げており、来年の花火大会は、花火や演出の進化など別の側面からも楽しみであり、全国各地の花火大会巡りも面白そうだ。
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