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第234回

日本アイ・ディー・ティー合同会社 社長 迫間幸介氏


日本でワイヤレス給電を拡大
ポジションセンサーの代替も

2017/8/10

―― 2016年度(16年4月~17年3月)の総括を。
日本アイ・ディー・ティー合同会社 社長 迫間幸介氏
 迫間 売上高は前年度比4.5%増の7億2820万ドルとなった。研究開発には売上高の22%に当たる1億6500万ドルを投資している。これまでデータセンター、通信インフラ、民生機器向けを主軸に事業展開を進めてきたが、15年にドイツのZMDI社を買収したことで、車載分野へ参入した。同社のセンサー製品だけでなく、当社の従来製品も車載仕様にブラッシュアップしたものを提供できるようになり、シナジー効果が出ている。
 事業分野は(1)Automotive&Industrial、(2)Communications Infrastructure、(3)DATA Center&HPC、(4)Consumerであるが、18年度は(1)が10%、(2)が33%、(3)が35%、(4)が22%になる見通しだ。(1)や(4)は今後さらに伸びる分野であり、将来的に日本市場では各々の比率を25%程度に近づけていきたいと考えている。

―― 日本市場の足元の状況について。
 迫間 電車やエレベーター向けなど、産業機械系が非常に強いと感じている。逆に、通信系は弱く、これは4GやLTE-Advancedなどへの投資が一段落ついたためだと見ている。興味深いのが無線系で、ワイヤレス給電のTX側(送信側)について、医療関連や海洋関連の方々からのコンタクトが出てきている。
 当社のワイヤレス給電ICは、サムスンやLG製のスマートフォンなどに搭載され、現状市場の7割を占めている。ワイヤレス給電は日本ではあまり浸透していないが、例えば次世代の携帯端末に搭載されれば認知度がぐっと上がるだろう。そうなれば、ホームアプライアンス市場へ用途が拡大していくと見ている。

―― 製品分野が広がっています。人員の補強など事業体制の強化については。
 迫間 確かに製品やターゲット市場が拡大している。当社はRF、リアルタイムインターコネクト、ワイヤレス給電、シリアル・スイッチ、インターフェース、車載用ASIC、電源管理IC、センサーシグナルコンディショナーICや環境センサーといった製品技術を持ち、通信、コンピューター、民生用電子機器、車載、産業用途向けに製品を展開している。2月にはオプト関連のギグピーク社も買収し、より製品も市場も拡大しているが、この点ではマクニカ、富士エレクトロニクス、丸文、丸紅情報システムズといった専門性の高い代理店とともに製品販売戦略を進めている。
 日本市場でフォーカスする分野はエンタープライズ、車載、民生用途、産業用途、ストレージ関連、医療関連、マスマーケットの7つ。各カテゴリーにFAEと営業を配置しており、FAEは今後数人を補強する。
 営業について、これまではA社、B社担当というアカウント営業だったが、現在は各カテゴリー担当だ。例えば車載であればワイヤレス給電やセンサー、タイミング製品や電源関連、リアルタイムインターコネクト関連などすべてを手がけなければならない。大変なことだが、各々が城主だと思って事業計画を進めるように話したところ、どのように売り上げを立てていくかについて非常に面白いプレゼンをしてくれるようになった。

―― 日本市場で今後拡販していきたい製品については。
 迫間 私が日本社長に就任してからの3年間、PMIC(パワーマネジメントIC)の拡販に注力し、それは成功したと感じている。次はポジションセンサーだ。産業分野や車載向けに拡販していきたい。
 4月にインダクティブ方式のポジションセンサー「ZMID520X」ファミリーを発表しており、ZMDI社の技術だ。一般的な製品は、センシングを感知させる部分に磁石が必要となるため重く、形状に制約がある。しかし、当社は独自のセンサーパターニング技術を用いることで、プリント基板上にコイルと金属ターゲットを採用し、磁石をメタルに置き替えることができた。例えばアルミを使用すれば、軽くて形状も自由度が増す。同ファミリーで従来品の置き換えを進めていきたい。

(聞き手・澤登美英子記者)
(本紙2017年8月10日号1面 掲載)

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