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No.37

日本・アルゼンチン経済フォーラム開催、マクリ大統領が投資呼びかけ


2017/6/13

 日本貿易振興機構(JETRO)、駐日アルゼンチン大使館、アルゼンチン外務省、日亜経済委員会主催による「日本・アルゼンチン経済フォーラム」が5月19日に東京都内で開催された。来日したマウリシオ・マクリ大統領自ら基調講演を行い、アルゼンチンの状況を説明するとともに、日本からの投資などを広く呼びかけた。

マウリシオ・マクリ大統領
マウリシオ・マクリ大統領
 マクリ大統領の来日はアルゼンチンの現役の大統領としては19年ぶりとなる。大統領は貧困の削減をコミットして就任。基調講演では「アルゼンチンは多くの自然資源と人材を持ちながら貧困があるのは理解できない」と語り、そのためのパートナーを見つけなければならないとし、そのうちの1つが日本だとしている。就任以降、マクロ経済を整備することに尽力し、輸出政策を変え、インフレを改善。世界中にアルゼンチンの持つ可能性を示さなければならないとし、金、リチウム、銅などの資源開発は大きな可能性を持ち、ブエノスアイレスがそのためのハブとなるという。将来を見通せる信頼性がある国になることが必要とし、「相互の貿易を増やし、文化・スポーツの交流を拡大させていきたい。皆様方を歓迎する」と締めくくった。

 「両国発展のパートナーについて」のテーマでは、まずルイス・カプート金融大臣が同国経済の正常化プロセスについて説明した。現政権発足時、公的債務、デフォルトの問題が解決しておらず、インフレの発生や、統計機関の偽造、インフラ投資へのインセンティブがないなどの問題があり、これらの状況を改善しなければならなかった。マクリ大統領はこれを改善し、貧困をなくすことを掲げた。中央銀行は、インフレを抑制し、外貨準備率を上げる施策を行っており、19年にはインフレ率を1%に下げる目標。政権がはじまってすぐに輸出税を排除しており、財政赤字を下げて金融を調整する。現状公的債務はGDP比で26%と、ラテンアメリカでは最低の水準となっている。また、中小企業に有利な融資制度の創設も検討している。

 金融大臣は、「多くのことが新政権で変わった。アルゼンチンは自然資源、人材が豊かな国で高い教育水準を誇っている。今後5年間で世界の食料安定に貢献する国になる。過去には世界7番目の経済大国だったので、これを取り戻す。日本の方々の協力を心から求める」と語った。

 続いてジェトロ・ブエノスアイレス事務所長の紀井寿雄氏が講演し、アルゼンチンの概況を説明。解放主義を目指すマクリ政権では、ビジネスシーズが豊富で、20年ごろにはブラジルと双璧をなすリーダー国になるだろうと語った。

 経済産業大臣政務官の井原巧氏は、アルゼンチンは高いポテンシャルを有しており、日本の経済界も大きな関心を示している、と語った。

 産業別セッションでは、まずアグリビジネスのセッションで、リカルド・ブルジャイレ農業産業大臣が、アルゼンチンの農業の状況について説明した。アルゼンチンは歴史的に食料生産国で、土地の開発にポテンシャルがある。30年前から観光に配慮した農業を実施しており、環境に優しく持続性のある農業を行っている。市場としてアジアに注目しており、日本企業と一緒に作業していきたいとした。

 続いて丸紅(株)執行役員穀物本部長の水本圭昭氏が同社の事例を説明。交通インフラの整備に期待していることを明らかにした。

 運輸交通のセッションでは、ギジェルモ・ディエトリッチ運輸大臣が、交通計画の現状と発展について説明した。今後4年間で国内の道路を倍増させる計画で、2800kmの道路を整備する。27年までに350億ドルを投じる計画で、すでに1300km以上が着工済み。また、貨物鉄道網の整備には35年までに150億ドルを投じる。このほか、港の整備計画、首都圏の交通網の開発、国内航空便の投資計画などを紹介。日本企業にとってビジネスチャンスだけでなく、アルゼンチンの継続的な改善に役に立ってくれると考えているとした。

 続いて、三菱電機(株)執行役員社会システム海外事業部事業部長の大島猛氏が同社のアルゼンチンでの鉄道システムについての取り組み状況について説明した。

 エネルギー・工業のセッションでは、ファン・ホセ・アラングレン エネルギー・鉱業大臣がアルゼンチンには豊富なエネルギーがあるのに過去15年間輸入に頼らなければならなかったことを説明し、エネルギーの安全性の確保が重要課題であるとした。25年には電力エネルギー需要が168TWhになるとしており、20%を再生可能エネルギーとする方針。この整備に向けた入札は透明に行うとしており、「日本からの投資はまだ少ないようだが、様々なビジネスチャンスがある」と語った。

 続いて豊田通商(株)金属本部資源開発部長の片山昌治氏が、同社がアルゼンチン北西部で行っている炭酸リチウムの開発事業について紹介した。精錬工場は14年9月に稼働しており、拡張計画も地元関係者と調整を続けている。
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