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第73回

九州産交ランドマーク(株) 代表取締役社長 鳥井一治氏


熊本・桜町再開発事業を推進
延べ16万m²で19年夏開業
防災減災機能も強化

2017/4/11

九州産交ランドマーク(株) 代表取締役社長 鳥井一治氏
 九州産交ランドマーク(株)(熊本市中央区花畑町4-3、Tel.096-325-1218)を傘下に抱える九州産交グループは、熊本市中央区で「熊本都市計画桜町地区第一種市街地再開発事業」を推進しており、ここに4万m²の商業施設、国内最大級のバスターミナルをはじめ、公益施設(MICE)、ホテル、住宅などで構成する延べ16万m²超の大型複合施設を建設する。同事業は、商業活性化として大きな期待を集めるほか、防災減災の意識も非常に高い。2019年夏の開業を目指し動き出した同再開発について、同社代表取締役社長の鳥井一治氏に話を聞いた。

―― 貴社の概要から。
 鳥井 当社は、HISグループである九州産業交通ホールディングス(株)の事業会社で、バスターミナルや商業施設の運営などを手がけている。1969年に開業した熊本交通センターの運営会社を前身とし、06年の事業会社の分社化を経て現在に至る。今回の桜町地区再開発事業で建設した複合施設の管理、運営を担う。

―― 再開発の経緯は。
再開発事業完成後のイメージ
再開発事業完成後のイメージ
 鳥井 07年に熊本市中心市街地活性化基本計画(1期)があり、これに同再開発も一緒に進めるような形でスタートし、08年に再開発準備会社を設立した。会社設立の2カ月後にリーマンショックがあったりしたが、粛々と協議を重ね、14年に第一種市街地再開発(会社施行)として都市計画決定、15年の事業計画認可、権利変換計画認可を経て17年1月に着工した。中心市街地における2核3モールの1核を担う賑わいの創出、街なか回遊の向上、交流拠点の確立を目指す。

―― 再開発の概要を。
 鳥井 熊本観光のシンボルである、熊本城に近接した旧交通センター一帯の約3万m²を再開発する計画で、商業(約4万m²)、バスターミナル(約1万5000m²)、公益施設(MICE、約3万1000m²)をはじめ、ホテル、住宅などで構成する地下1階地上15階建て延べ16万300m²の施設を建設する。バスターミナルはホームドア方式の採用とユニバーサルデザイン対応により、安全性、快適性、利便性の基本性能を向上させた26バースを備える。
 商業施設は、4万m²に5フロア展開で約140店集積する。コンセプトを〝熊本城と庭つづき、まちに開かれた新しい「おもてなしの庭」〟とし、熊本の魅力を発信すると同時に、熊本の方々にも新しい魅力を発信できるような熊本初のテナントを中心に誘致したいと考えている。また、屋上には庭園や広場も整備する。
 フロア構成は、地下1階がフードホール、スーパーマーケット、食物販といった食品をメーンとする。地上1~3階はファッション、物販、カフェ、レストランなど、4階はシネコン、レストランを設置する。
 地下1階は、街なか居住者や通勤者向けの食に特化、1階は、熊本の街なかにあってアクセス性に優れる特長を活かし、高感度なメッセージが伝えられるようなファッションや、都市型のセンシティブなブランドを配置する。2階はデイリーにご利用いただける、毎日新しい刺激を受けるテナントなどを想定。1階に比べ、価格帯も抑えたフロアにしたい。また、2階中央部にバスターミナルとつながるコンコースも整備する。3、4階にはレストランを設置。3階はカジュアルテイスト、4階は特別なハレの日にもご利用いただけるようなレストランを導入する。

―― 防災、減災にも力を入れています。
 鳥井 ハード面では、より強固な支持層への杭延伸による耐震性能の強化、一時帰宅困難者の受け入れ(1万1000人)を前提に、備蓄倉庫の整備(3日間)、給排水量(4日間)、発電機容量(3日間)をはじめ、浸水対策も強化した。
 また、ソフト面では、商業施設は食品売り場の店頭在庫品を災害時の備蓄食料として活用するほか、ホテルは避難場所として高齢者などの避難弱者を優先した受け入れ、バンケットは炊き出し利用、バスターミナルは仮設トイレの設置や、バスによる緊急輸送などを想定する。災害対策本部となる市役所を補完する役割を果たし、地域に貢献したいと考えている。

―― 売り上げ、集客人数の目標など。
 鳥井 経済波及効果は約500億円、商業施設の想定年間売上高は約200億円、年間集客人数は約2500万人を目指す。

―― 抱負、意気込みは。
 鳥井 グループとして第2創業の基盤となる事業だと思っている。九州産交グループは今年で創立75年となり、これから創立100年に向けて進んでいく中で、同再開発は大きな柱となる。単に施設を作って運営するだけではなく、賑わいを創出し、それを街なかの回遊性につなげ、交流人口も増加させる。都市力を上げることで経済的な効果も出てくるだろう。再開発が地域の核となり、地域活性の起爆剤となるよう頑張っていきたい。

(聞き手・若山智令記者)
※商業施設新聞2184号(2017年3月14日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.220

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