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“病院整備”街づくりで存在感、再開発ビルの導入事例が増加


ららシティなど複合開発街区で整備も、地域の医療機能担う

2017/2/28

 再開発ビルや複合開発で“病院”の存在感が増している。かつて病院は「駅からバスで数十分」といったアクセスの悪い場所に立地していたことも珍しくなかったが、今日では千葉駅や姫路駅などのターミナル駅前の再開発ビルに病院を導入するなど、利便性の高い立地に移転する例が相次いでいる。デベロッパーも商業、住宅などを整備する複合開発街区に病院を導入し、街づくりに活用しているほか、自治体が都市機能の集約を図る一環で再開発ビルに導入する事例もある。

◆増える駅前型、エリア開発に参画するケースも
 現在、東京都墨田区の曳舟駅に隣接する区画で、東武鉄道が延べ約1万m²のビルを建設している。曳舟駅は東武スカイツリーラインと東武亀戸線の2線が停車し、多くの人が集まる。このような駅前には一般的に商業施設、オフィス、住宅などを導入するが、同ビルには伯鳳会が「白鬚橋病院」を移転する。

 このほか千葉駅前や姫路駅前の再開発ビルでも病院を導入するなど、駅前の優良地に病院が進出する事例が増えている。

 病院はある程度敷地面積が必要になるため、駅から離れた場所に立地することも珍しくないが、昨今駅前の再開発が加速している中で、病院側も老朽化などを背景に移転する際、アクセスのよい立地を求めているようだ。白鬚橋病院も現在、東武スカイツリーラインのみが停車する東向島駅から徒歩10分ほどの立地だが、2路線が停車する曳舟駅前に移転し、利便性が向上する。

和歌山駅近くでは病院を含む再開発ビルを整備する(完成イメージ)
和歌山駅近くでは病院を含む
再開発ビルを整備する(完成イメージ)
 自治体が都市機能の集約を狙っていることも、病院の駅前進出に一役買っている。JR和歌山駅近くでは北大通り沿いの街区に20階建ての高層ビルを建設し、3~6階には「児玉病院」が移転するほか、2階にはテナントとしてクリニックモールも開業する方針で、2020年の竣工を目指す。

 和歌山市は16年3月に都市再生整備計画を策定し、交通利便性が高い街中に都市機能の再生・集積を図ろうとしている。同事業はこの方針の一環であり、ビル内に住宅、スーパーも設置することで和歌山市の活性化を目指す。

(続きは本紙で)

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