商業施設新聞
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第66回

(株)スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー 提携営業部 部長 肥後慎治氏


「PLAZA」FC展開開始
年5~6店を出店
目利きと編集力で差別化

2017/2/21

(株)スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー 提携営業部 部長 肥後慎治氏
 輸入雑貨店「PLAZA」「MINiPLA」などを展開する(株)スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニーは、創業時からライフスタイル提案を掲げ、日本にない「新しいモノ・コト」を提案してきた。他社に先駆けて「クリスマス」「ハロウィン」「バレンタイン」など海外のシーズンイベントを日本に紹介したのも同社だ。2017年は4月に銀座ソニービルのクローズに伴い、PLAZA銀座店が移転オープン、新業態「オトナプラザ」を「GINZA SIX」に出店するなど、半世紀を超えても挑戦を忘れない。そして、マスターブランドであるPLAZAのFC事業も本格開始し、直営以外の動きも強化する。同社の提携営業部 部長の肥後慎治氏にFC事業について伺った。

―― 16年で創業50周年を迎えました。
 肥後 1966年に銀座ソニービルに日本で初めての輸入雑貨店としてソニープラザをオープンし、世界中からセレクトしたアイテムを独自の選択眼で発掘。日本にはない新しいモノ、わくわくするコトを紹介してきた。2000年からは駅ナカを中心に、コンパクトなスペースでPLAZAのエッセンスを凝縮し展開するMINiPLAを開発。現在はPLAZAを約80店、MINiPLAを約40店展開している。

―― PLAZAのFC出店を開始しました。
 肥後 様々な商業施設に展開しているが、アパレルの出店意欲が落ちているとの話を聞いていた。そんな中、郊外エリアを中心に出店オファーが相次いでいたこともあり、雑貨が望まれていると感じた。こういった背景もあり、15年からPLAZAのFC展開を開始した。これまでFC展開をMINiPLA業態に限定してきたのは、出店費用と在庫などの投資面と運営オペレーションでハードルが高かったためだ。
 しかし、投資も抑え、店舗運営に必要な人の確保はパートナー企業が行い、在庫のコントロールを当社が担うという仕組みを整えたことで、FCでも直営と遜色ない鮮度、満足度を維持することが可能になった。16年はPLAZAを6店出店し、うち3店がFC店となった。

―― 高いブランド認知度も武器です。
 肥後 PLAZAは、2000年から始まったMINiPLAと比較すると圧倒的なブランド力がある。50年という歴史、そして都心部で展開していたことから、地方でも知名度は高い。よって出店オファーも多く、展開する上でも追い風になっている。ありがたいことに人材も集まりやすい。

―― 都市部と郊外エリアでは、ターゲットなどは異なりますか。
 肥後 都市部と郊外では立地の特性上、買い物シーンが異なる。都市部はコスメなどの目的型来店が主を占めるのに対し、郊外は比較的ゆっくりと回遊していただく時間消費型の傾向がある。そのため、都市部の効率重視のラインアップに対し、郊外では品揃えを充実させている。ただ、実はコアターゲットは同じで20~30代の女性。商品も流行の物などは同じように売れている。郊外の大型SCでは、年齢層は幅広く、ファミリー層や三世代での来店も多いため、これらの層への対応も必要となっている。
 なお、FCでは50坪以下は商品アイテム数が少なくなってしまい、80坪以上だと在庫が多く売り場管理の負担が重くなるため、標準売り場面積を60~70坪程度とし、5000SKU程度を扱っている。

―― FC出店について。
FC事業を本格化したPLAZA
FC事業を本格化したPLAZA
 肥後 PLAZAのFCは年に5~6店を出したい。16年度からの中期計画では25店程度を目安にしている。知名度、認知度を保つには出店が一番だと思うので店舗網は広げていきたい。
 都市部に集中していたこともあり、郊外は出店余地があると考える。現在、四国は店舗がゼロ、中国エリアも岡山、倉敷、広島のみで人口の割に店舗数が少ない。九州も博多中心なので、まだまだ広げていけるだろう。

―― 郊外に限定して出店するのでしょうか。
 肥後 これまで弱かった郊外を強化するが、それに限らず全方位型で出店するつもりだ。大まかには都市部では直営、郊外ではFCで出店していきたい。
 都市部は駅立地や新開業する商業施設を狙う。郊外は、SCやモールを主戦場とする。平日の来店も確保するため、1階でかつ食品売り場やデイリー性のある店舗の近くを狙いたい。

―― 雑貨業態の競争は熾烈で、輸入雑貨を扱う雑貨店も増えました。
 肥後 かつてPLAZAは、日本で見たことのないような輸入菓子、オシャレな生活家電、アパレル雑貨など、当店でしか扱っていないものが多数あり、様々な流行を生み出す、オンリーワンの存在だった。
 しかし、アパレル店でも雑貨を導入し、間口を広げるため雑貨を強化する商業施設も増えており、環境は熾烈だ。新しさを提供し続けるのは至難の業でもあるが、だからこそ当社の目利きと編集力が問われ、求められているのを感じる。そこでより一層の差別化を図り、店舗網を広げていきたい。

(聞き手・編集長 松本顕介/大塚麻衣子記者)
※商業施設新聞2177号(2017年1月24日)(5面)
 商業施設の元気テナント No.210

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