2015年11月20日に開催された、国際機関日本アセアンセンター主催の「ASEAN医療ビジネスセミナー―ASEANの医療分野におけるニーズと課題―」において、(株)アジア戦略アドバイザリー 代表取締役の杉田浩一氏が「東南アジアの医療機器市場におけるニーズと課題~タイ、ベトナム、ミャンマーを中心に~」と題したセミナーを行った。同セミナーでは、日系医療機器メーカーが、東南アジア市場でよりシェアを確保していくために何が必要なのかを、東南アジア医療機器の市場比較、タイ、ベトナム、ミャンマーの医療機器市場を踏まえて解説する。
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◆医療機器市場はすべての国で2桁成長
同氏はまず、東南アジアにおける医療機器の市場規模を解説した。表では、フィリピン、シンガポール、インドネシア、ベトナム、タイ、マレーシア(以下の比較はすべて同じ国)を挙げているが、年平均成長率はすべての国が2桁を超えており、中でもインドネシア、ベトナム、タイ、マレーシアでは15%以上の高い成長率が見込まれているという。1人当たりの医療費も各国の経済発展に伴い増加傾向が継続している。
◆医療機器が発展している国には私立病院が多い
病院数/公立・私立の割合は、シンガポールが病院数31/公立の割合48%、マレーシアは358/42%、ベトナムは1253/85%、タイは1375/76%、フィリピンは1824/40%、インドネシアは2212/39%となっている。同氏によると、相対的に医療機器市場の発展しているシンガポールやマレーシアは私立病院の割合が高く、タイは3大私立病院(バンコク病院、サミティベート病院、バムルン病院)が突出しているが、数的には公立病院の割合が高く、社会主義国家のベトナムは公立病院の割合が圧倒的に高いという。
(続きは本紙で)