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堺市立総合医療センター、投資258億円で7月1日に開院


救急に自走式CT設置、心臓血管外科新設とハイブリッド手術室装備、入院は年1.4万人へ

2015/7/7

7月1日に開院した堺市立総合医療センター
7月1日に開院した堺市立総合医療センター
 地方独立行政法人 堺市立病院機構 市立堺病院が堺市西区で建設を進めていた新病院「堺市立総合医療センター」(堺市西区家原寺町1-1-1、Tel.072-272-1199)が、7月1日に開院した。規模は地下1階地上9階建て延べ4万4533m²で、総事業費は258億円。今後の目標として、入院患者数は年間1万4500人を想定している。
 新病院は、(1)救急医療、(2)高度専門医療、(3)災害時医療・感染症医療、(4)小児・周産期医療、という4つの特色を持つ。(1)では、1階の救命救急センターに、アンギオ装置を備えた専用の手術室を設けたほか、自走式CTを配備したことで、患者の移動を最小限に抑え、緊急の検査や手術に備えることができる。(2)では救命救急センターの設置に伴い、心臓血管外科を新設し、専用のハイブリッド手術室も設置。眼科部門は「アイセンター」と呼称を変更し、眼科専用の手術室も完備している。
 (3)では建物の基礎部分に免震構造を採用したほか、屋上には防災ヘリコプターの発着も可能なヘリポートを設置。(4)では、小児疾患全般において、地域の中心的な役割を担い、周産期医療に関しても、拠点機能を担う総合周産期母子医療センターや地域周産期母子医療センターに加え、地域の医療機関と連携を推進し、良質な医療を提供する。そのほか、同一敷地内には「堺市消防局救急ワークステーション」や「堺市こども急病診療センター」も整備されており、これらの3つの施設が連携することで、より一層の救急医療環境の充実を図っていく。
フィリップス社製の1.5テスラMRI装置
フィリップス社製の1.5テスラMRI装置
 フロア構成としては、地下1階に核医学検査・放射線治療部門やリニアック室が整備され、レストラン、コンビニエンスストア、カフェも配置。地上1階には総合案内やホールのほか、救命救急センター、放射線エリア(MRI、放射線診断、予防健診センター)などを設けている。救命救急センターは延べ140m²の規模で、処置ベッド(2床)のほか、自走式CTを装備した手術室も併設。内臓破裂などの症状で1分1秒を争う際に、挿管と検査を同時に行うことができる。同フロアにはMRI室もあり、今回の新築移転に伴い、フィリップス社製の1.5テスラMRI装置を2台(1台は新規、もう1台は更新)導入している。
 2階は外来部門のほか、化学療法センター、生理検査室、採血・採尿室を配置しており、外来部門には呼称を変更した「アイセンター」も設置。同センターでは、白内障の症状を訴える患者に対し、診察や検査を行うほか、日帰り手術もできるように、専用の手術室を用意している。3階には手術センター、集中治療センター、人工透析センターのほか、救急病棟および救急ICUや臨床工学科を設けている。手術センターには延べ90m²と、大学病院並みの広さを誇る「ハイブリッド手術室」を設置。同手術室には東芝製の血管造影装置を導入しており、主に大動脈瘤といった心臓血管外科領域の患者に対し手術を行う方針だ。同フロアには、ICU(8床)やHCU(22床)を備えた救急病棟もあり、救命救急センターの病床数は旧病院の2倍となる30床を確保している。
アイセンター専用の手術室
アイセンター専用の手術室
大学病院並みの広さを誇るハイブリッド手術室
大学病院並みの広さを誇るハイブリッド手術室
 4階は管理部門やリハビリテーションセンターなどを配置。5階には周産期エリアのほか、感染症病棟も設けており、同病棟では、1類感染症(エボラ出血熱など)患者の専用室(1床)と、2類感染症(MERSなど)患者の専用室(6床)を用意している。6~9階は一般病棟で、すべての病床に窓が付くような構造となっている。加えて、個室は旧病院の100室から170室まで増やしている。そして、屋上のヘリポートに関しては、舞台装置のような仕組みを採用している。なお、堺市消防局救急ワークステーションは研修機能を持つ拠点として、堺市こども急病診療センターは中学生以下の子供を対象に、休日や夜間に急な病気の初期診療を提供する拠点としてそれぞれ開設している。
 新病院の規模は敷地1万9693m²、建築8410m²、地下1階地上9階建て延べ4万4533m²で、総事業費は258億円。病床数は487床で、内訳は一般病床が450床、救命救急センター病床は30床、感染症病床は7床となっている。診療科目は心臓血管外科を新設したほか、外科を消化器外科、乳腺・内分泌外科、呼吸器外科の3つに細分化しており、30科目(内、消内、循内、呼内、腎・内、血内、神内、外、心外、消外、乳・内外、呼外、脳外、整、形外、産婦、小、眼、耳咽、頭外、皮、泌、口外、放治、放診、麻、臨検、病診、リハ、救急)を標榜している。
 記者会見に臨んだ同医療センター副院長の河野譲二氏は、「No.1の病院を目指す」と抱負を語ったうえで、「これまで堺市外に運び込まれていた3次救急の患者はもちろんのこと、和泉市や泉大津市の3次救急の患者も受け入れていきたい」と説明。今後の目標については、「入院患者数を、旧病院の年間1万3000人弱から同1万4500人まで増やしたい」と語った。
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